熊本

2016/08/14 11:41

2016/08/14 11:41

震災以来、初めて熊本に行ってきました。
南阿蘇村、西原村、益城町、御船町、熊本市内は水前寺公園と熊本城を訪ねてきました。復興の温度差に相当なものを感じましたが、それぞれが一歩一歩進めていってほしいと改めて思いました。

家はかろうじて残ったものの、これまで生きてきた地域を離れる決意をした人もいらっしゃいました。敷地には地割れが走り、家から歩いて数分のところで起きた大きな土砂崩れを目の当たりにすれば誰しもそう思うでしょう。
地震による直接的あるいは土砂崩れによる被害も甚大でしたが、実はその後に襲った記録的豪雨も、穏やかさを取り戻しつつあった南阿蘇村を激変させてしまいました。地震の後、復旧した水道が豪雨の影響で水源を根こそぎ壊され、長陽地区では水道のない生活を余儀なくされています。今後2、3か月で解決する問題ではないそうです。水道は飲み水だけでなく、水洗トイレやお風呂にも必要なだけに、その不便さに耐える精神力は私にはないだろうと思います。そして、農業に不可欠な水もないのです。農業中心の長陽地区には致命的です。これから台風などで降る大雨は恵みの雨ではなく、その度に土砂崩れや洪水を引き起こす恐怖の雨になるのです。このようなニュースは全国的には流されていません。

2016/08/14 16:02

2016/08/14 16:02

熊本城天守閣の屋根には草が生えていて無残な状況ではありましたが、復興に向けた動きは少しずつ進んでいるようです。中国人をはじめとする外国の観光客も見えていて、多くの方々が自分にできる支援活動をされています。
阿蘇の伏流湧水で満たされていた水前寺公園の池が地震によって枯れたことが全国に報じられていました。今は水も復活して、鯉に餌をあげている人たちの姿も見られました。水前寺公園は出水神社の神苑ですが、400年ほど前にここにお寺を建立したのが始まりです。その頃から清水が沸いていて、近くに市民憩いの江津湖があるように、もともと熊本は阿蘇の水が湧き出る湿地帯だったのです。その水が枯れたわけですから、地下で想像を超える事象が起こっていたのでしょう。神様がいてよかったと思います。

2016/08/14 15:03

2016/08/14 15:03

人生の中でもうだめかもしれないという最悪の出来事が何度かあると言われます。その原因は、自分自身にある場合、他者にある場合、そして今回のように自然にある場合などさまざまです。それを若いうちに体験するのか、実年時代なのか、年老いて体験するのか、その時期や環境によっても受け止め方はさまざまだと思います。
それらの出来事をほんの少しでも共有することができれば、自分の人生にも活かすことができるかもしれません。

コメント (19)

  • yuta.o より:

    吉尾先生。こんばんは。
    本当に今年は連日の台風の発生で、地球温暖化の影響のせいなのかと考えしまいます。
    被害にあった各地では、本格的にボランティアの方々も入り、復興に向けて動き出しました。
    私自身も今できることを精一杯やっていきたいと思っております。
    メールのご返信ありがとうございました。

  • c.t.n より:

    吉尾先生 こんばんは。
    そういえば、昨年、こちらで書けるようになるといいなと言ったことがあります。準備はしていたのですが、進めずにいました。英文タイトルが難しくて。
    英語論文を読むことで気づくことがあるだろうと思索中でした。
    日本語で書かれた書物をよみとくのも大変なのに、他国語で書かれた書物を理解するのは大変です。
    私には大事で、人が信じられない、人間不信になってしまいました。

  • senri より:

    c.t.nさん、おはようございます。
    患者さんはセラピストを選ぶ権利を有する社会になってきましたね。
    精進しましょう。

  • c.t.n より:

    吉尾先生 こんばんは。
    不安と責任を感じる中で、車椅子だった方が歩行器を使用してリハビリ室まで歩いてきてくれました。立つことがやっとの人が排泄のためトイレに行きました。最近はみれる患者が限られていて、ここ1週間は1日6人、4人の担当でやっとです。足部が硬く移乗も骨がおれるくらい腰を痛めましたが、損傷部位の浮腫・圧排が酷く午前中に全担当患者をみるのが精一杯でした。
    患者はセラピストを選べないと言われます。セラピストは患者を選べないと言われます。
    どうなのでしょうか。

  • senri より:

    c.t.nさん、こんばんは。
    認定理学療法士の取得、良かったですね。とは言え、これからですから、しっかり取り組んでください。
    ステップアップのひとつの証です。

  • senri より:

    yuta.oさん、こんばんは。
    今年の天候はいろいろ大変ですね。北海道も被害甚大です。
    アドレスに返事をお書きしましたが、届きましたか?

  • c.t.n より:

    吉尾先生 こんばんは。
    先日、症例検討会がありましたがそこでの収穫は多くありました。
    私自身は有難く幾つか質疑応答をいただきました。もう少し述べることができたのではと思い返してます。
    幸い認定理学療法士(脳卒中)を取得することができました。実際、届くと嬉しいものですね。施設長宛の依頼文もはじめは提出しなくてよいと言われましたが、やっと提出することができました。一方で、相当な責任感も感じています。
    さらにone step、、
    地域包括ケアシステムについても述べていました。士会組織機能や管理者ネットワーク、理学療法マネジメント。
    8月のJPTA NEWSにも記載されてますね。
    認定理学療法士は取るまでなのか、授与されてからその活動をどういかしていくのか。
    他病院や施設ではどうされているのでしょうか。不安です。

  • yuta.o より:

    お疲れ様です。
    長野で理学療法士しております、yuta.oです。
    今回の台風は各地に甚大な被害をもたらしております。
    幸い長野県は山々のおかげで、大きな被害なく過ごせております。
    当たり前の生活を送れること、感謝の心を忘れず過ごしていきたいと思っております。
    セミナーの件、ありがとうございます。

  • c.t.n より:

    吉尾先生 こんばんは。
    lateral-pulsionでlateropulsionではないかと思っています。
    pushingはpush away from nonhemiparetic side , leading to a loss of lateral postural balance.
    とされています。

  • senri より:

    yuta.oさん、おはようございます。
    東北にしても、熊本にしても、その後の生活は大変なことだろうと思います。それ以外にもこれまで起こった地震や風水害で甚大な被害を受けていらっしゃる方々はどのような生活を営んでいらっしゃるのでしょう。
    この度の北海道3連発の台風被害は農作物に大きな被害をもたらしました。玉ねぎがダメになったばかりではなく、土からやり変えなければならない状況です。厳しいですね。
    思いだけでも結構だと思います。できる支援をしていきたいと思います。
    ご依頼の件、取り敢えず、病院のアドレスまたは電話にコンタクトしてください。

  • yuta.o より:

    お疲れ様です。
    長野で理学療法士しております、yuta.oです。
    熊本地震で被災された方々へ、お悔やみ申し上げます。
    熊本地震の現状を知りたく、あるサイトを見たところ想像以上の被害があり、現在も大変厳しい状況にあると認識できました。
    地震が起きた直後はメディアにクローズアップされますが、月日が経つにつれ関心が薄れてしまうのは、とても残念な事だと思います。
    暑さもこたえる時期ですが、一歩ずつ前へ進んでいかれること、お祈り申し上げます。

  • senri より:

    c.t.nさん、おはようございます。
    もしかしたらlateropulsionとpushingとの根本的な違いに気づいてません、ね?
    とは言っても、私もpushingの説明には大いに疑問を持っている一人ですが。

  • c.t.n より:

    吉尾先生 こんばんは。
    今年は例年よりも暑い日が多いみたいで夏バテにならないように注意してます。
    ここ約一ヶ月は仙台で行われる神経理学療法学会の演題登録と地区で行われる症例検討会の抄録やプレゼンテーション作成に追われており、現在も修正、見直し中です。
    私は使用しなくなった用語があります。PushingもしくはPusherです。
    これはPushingとは言わないといわれたことがあります。Pushingじゃなくて何というのかという意見もありました。何ていうのか、、、?非麻痺側の過緊張としかいえませんでした。当時はlateropulsionという用語は知りませんでした。lateropulsion、pushingは区別されるものとされていますが、両方ともpusher syndromeとしている文献もあります。その他の表現も様々で曖昧さを感じました。
    しかしながら姿勢バランスに関わることだろうと思い、いろいろと検索してみました。

  • senri より:

    c.t.nさん、こんにちは。
    コメントいただき、ありがとうございます。
    暑い日が続いていますが、お元気でお過ごしですか?
    c.t.nさんがお勤め組織はどこよりも積極的に救護・支援活動をなさいますから、多くの被災者が救われています。
    組織内ではその報告も多くなされるでしょうから、学ぶことも多いと思います。
    私たちに何ができるか、外にも可能な範囲で発信してください。
    現状の熊本の生活も大変ではありますが、なかなか情報は届きませんよね。

  • chiemi-tami より:

    吉尾先生 こんばんは。
    いつも拝見させていただいてますが、ご無沙汰していました。
    c.t.nです。
    この度、熊本の地震で被災された方々へお悔やみ申し上げます。
    私たちの仲間も地震直後に出向き本震の中で救護活動にあたった仲間や相次ぐ余震の中、救護活動へ出向いた仲間がいます。廃用症候の予防の為に自ら現地への派遣を決めた人もいます。
    地震後の状況をこちらで拝見することができましたが、結構な状態ですね。再度、その深刻さを感じることができました。
    それに耐えれるかどうか、私は吉尾先生同様です。
    先がみえなくても言うに及ばずな部分もあり少しずつ復興の兆しをみせていることは確かだと感じています。
    しかしながら先がみえないことで不安や怖さを抱く時期が存在するとも思います。

  • senri より:

    チャーコさん、おはようございます。いつもありがとうございます。
    熊本は私の故郷ですから、この度の地震ではとても辛い状況になっている縁者も多いのですが、なんとか踏みとどまっています。でも、先が見えない生活が続いているようです。皆さんで応援しましょう。
    くまもんも先頭きって頑張っています。
    まだ8月中は猛暑日になることが多いようですね。干上がらないように注意しましょう。

  • チャーコ より:

    吉尾先生、こんにちは。いつもブログ読んでます。
    熊本に行ってきたのですね。私もいつかは熊本にもう一度行ってみたいです。
    最近暑いですよね。熱中症にならないように、私は水分補給しています。
    今日は熊本名物くまもんのお菓子をもらい、くまもんクイズの質問に答えました。

  • senri より:

    asukaさん、おはようございます。
    復興に向けた努力は各地域で、それぞれの立場でなされていると思います。
    突然起きた地震、続いて起きた本震、続けざまに起きる余震。情報収集力が限られた中での初期活動は大変だったことでしょう。私たちはそれらをマスメディアを通じて知ることができましたが、ここに来てそれらの情報は途絶え、人々の思いは低下していきます。
    事故による脊髄損傷や脳卒中は個人レベルの地震に例えることができると私は考えています。家族や職場への影響は甚大で、その復興を支援しているのが私たちということになります。プロフェッションとして有償の生業として行うわけですから、言語化の責任もありますし、多職種が壁を越えて有機性を発揮しなければなりません。
    やらねば。

  • asuka より:

    お久しぶりです。
    熊本のレポート、ありがとうございます。
    現状がよく理解できました。復興にはまだ長い道のりが必要そうですね。
    一歩ずつ、前進していくことをお祈り申し上げます。

    先生と比べると体験したことは少ないですが、
    様々な体験を積み重ねて人生に活かせる経験値にしたいです。
    他者と共有するためにも言語化・具現化できるまで理解を深めていきたいと思います。
    医療における多職種連携にも同じことが言えそうですね。

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