JSNPT SIGs 2017

2017/11/05 08:15

日本神経理学学会がいよいよスタートラインに立った。そのようなイベントを11月4,5日に東京で開催しました。本学会は中枢神経障害に対する適切な理学療法を実践すべく研究、教育、臨床の質の向上を図り、同時に社会に対してメッセージを発信していく責任があります。
この領域では、専門家でさえも説明できないような意味不明な用語が数多く見られます。日本にリハビリテーション医療が導入されて以来今日まで、その是正を図らずに来てしまいました。よく分からないことこそが難しいことに挑戦していることを意味しているというような錯覚に陥っていたのだと思います。本来はSimple is Best.なのです。そして、何よりも定義のない世界に科学は存在しないのです。
その悪しき世界の根源は神経生理学的アプローチだと私は考えています。日本では、今でもその影響が根強く残っています。セラピストのハンドリングこそ全てだ、とばかり、道具や装具を使うセラピストを否定したり、脳画像を見ることを不要という主張も未だに耳にします。根拠をもって、堂々と議論しあう世界を作らなければならないと思います。その第一歩がJSNPT SIGs 2017だったのです。
大会長として、多くの議論の中からたくさんの課題をいただきました。これからギアチェンジをして、それらの課題を解決すべく、学会としての本来の活動を展開していきたいと考えています。
そして何よりも大切なこと。それは人間の幸せ、人間の生活に真正面から向き合っていくことを何よりも最前線に置きながら取り組む姿勢を忘れないことです。治療医学的側面がリハビリテーション医療の中に台頭してくると、いつの間にか人間がどこかに置き去りにされる現象がこれまでもみられ、強い指摘も受けてきました。またその傾向がみられるようになっています。学会として、しかと注目していきたいと思います。

コメント (10)

  • senri より:

    KARA.R.C.Hさん、こんばんは。
    SIGsに参加していただき、ありがとうございました。
    できましたら、いろいろなご発言をいただければよかったのですが・・。
    次回にはぜひ、その葛藤の内面をお話しくださるよう、よろしくお願いします。
    ここにもお書きいただいているように、他者の意見に考えさせられるものもおあいだったようですし。
    ところで、眠らぬ夜の東京はいかがでしたか?
    私は主催者ということもあり、ホテルでおとなしく翌日の準備などをしておりました。

  • KARA.R.C.H より:

    吉尾先生 こんばんは。
    日本神経理学療法学会参加型フォーラム2017(JSNPT SIGs)に参加いたしました
    KARA.R.C.Hと申します。
    抄録の表紙の絵画のような優雅な首都大学東京にはどれほどの方がいらっしゃったのでしょうか。
    身を引く思いで後方にいたのですが、講堂は満杯で人気のセッションにはよく見る光景も伺えました。
    手違いからか、スポットライトがないという場面にも遭遇し見づらい時間も体験しましたが、
    バリエーション豊富で、ひとつとしてひとつでもない雰囲気でした。
    組織として類は同じ方と出会えたのですが、パーソナルスペースが近くて遠ざけたくなりました。
    懇親会も用意されていたようで、前日の酔いが覚めずに出向いたあげく我が身を想い遠慮し、
    眠らない街、TOKYOを味わうこととなりました。

    asukaさんはガイドラインについて、aisakuさんは姿勢制御とバランスの提言をされました。
    それぞれのメッセージは各々に届いたと感じています。
    20代、30代、40代、50代、60代と時代は様々にうつりゆきます。
    見習いと言われる頃、中堅と言われる頃、ベテランと言われる頃、
    葛藤があります。
    学校では「評価にはじまり評価に終わる」
    そのように教わりました。
    方程式のように、手相のように人間が動いている様子をスクランブル交差点をみて判断し、
    点と点を結ぶ線を遠隔的に推察する確率は霧のようです。

  • senri より:

    aisakuさん、おはようございます。
    ニューロリハの世界をみていると、危機感を覚えます。
    治療医学の世界でも人間がテーマになってきています。ましてリハビリテーションの世界でそれを置き去りにすることなどあり得ないことだと思うのですが、近年、哲学あるいは思想的なことを語る方が激減しましたから、その問題は雪だるまのように大きくなっていくものと思います。
    しっかりとして楔を打ち込まないと、一気に崩れてしまいそうな空気を感じます。
    くれぐれもよろしくお願いいたします。

  • senri より:

    Katoさん、おはようございます。
    SIGsに参加いただき、ありがとうございました。
    仰るような世界だからこそ、いろんな立場から積極的に意見交換して、求めるべきものを明らかにしていく必要があります。他に任せないで、自ら動いていくことが大切なのだと思います。
    これからのKatoさんには大いに期待しています。
    孤軍奮闘している他のエリアの方々も着実に社会を変えていっているようです。
    頼もしい限りです。

  • aisaku より:

    ご返信ありがとうございます。
    先生に書いていただいたことは、今まで活動してきた1つのマイルストーンになるのかなと感じ、嬉しく思いました。
    SIGsの中でも発言しましたが、私たちの活動の帰結は「対象者のADL、QOLの改善」であるべきだと感じます。以前先生も書かれていた通りに、ニューロサイエンスの研究で終わるのではなく、対象者のADL・QOLにどのようにつながるのかということを臨床家として考えていきたいと感じているこの頃です。
    これからもマグロして、地方から発信続けれられるよう励んでいきます。
    大トロではなく赤身になれるよう、頑張ります。

  • Kato より:

    吉尾先生、こんばんは。
    SIGsではお疲れさまでした。SIGsでは多々考えさせられることがあり、
    ぼんやりとした言語理解のまま、常識のように定義のない非常識な言語が
    使われているということを改めて感じました。また今回のような学会に
    あまり参加せずに臨床と向き合っている方たちにどうやってこの内容を
    しっかりと伝え、理解を得なければいけないのかを考えさせられました。

    関東地区にいらっしゃった先生も見ていたかもしれませんが、名刺交換会での
    私の地区は人も少なく、主な参加者は県南のセラピストさんばかりでした…。
    前途多難…と思いつつ今年度の目標を確実に達成し、少しずつ前進していくため、
    勇気をもって発言していこうと思います。

  • senri より:

    aisakuさん、おはようございます。
    SIGsにお越しいただき、多くのメッセージを発していただき、ありがとうございました。
    PTの世界でも、あの佐藤第一病院って、どこにあるの?という囁きが聞こえるようになってきました。
    とてもいいことです。
    これからはお名前も「愛作」と言います、というように紹介していただくと、
    ご発言の真意を強くフォローしてくれるのではないかと思いますよ。
    5年に1度くらいのフォーラムは必要かもしれませんね。
    小さいフォーラムは毎年開催していく予定です。
    今回は神経筋疾患や発達障害等への取り組みが足りませんでしたので、課題は山積です。
    これからもよろしくお願いいたします。

  • senri より:

    asukaさん、おはようございます。
    コメント、ありがとうございます。
    SIGsではたくさんの質問やご意見を発していただき、感謝しています。
    課題に対して真正面から取り組んでいらっしゃる姿を拝見したように思います。
    その最たる部分が「人間」というテーマですね。
    可能性を潰さないように、しっかり取り組んでいきましょう。

  • aisaku より:

    先日のJSNPT SIGsは大変お疲れ様でした。
    私自身も指定発言を通じて、いろいろと考える機会をいただき、とても有意義な時間を過ごすことができました。
    今回のSIGsで感じたことは、理学療法士の常識は言葉の定義も共有されておらず非常識が多いこと、発言者の多くが30歳代のPTであったため神経理学療法学会の未来が明るいことだということです。
    asukaさんも書かれていますが、私たちが対象者の方の幸せの貢献をあきらめないことはとても大事ですよね。最後は「人としてどのように人生を謳歌できるよう関われるか?」ですからね。
    今回のような企画は5年に1回でも到達点や現状を確認するために開催されてよいと感じました。
    最後に、「遠距離恋愛」の話はツボにはまりました。

  • asuka より:

    JSNPT SIGsではお世話になりました。
    私も少しでも貢献しようと自分の考えを幾度か発言させていただきました。
    その中の一つで運動学習のSIGsに参加して感じたこと、
    「人間の幸せへの貢献に諦めないこと」。
    臨床場面では患者さんが動作を学習するほどの量を提供する前に
    療法士が別の方法へ切り替えてしまったり、動作獲得を諦めてしまう場面に時々遭遇します。
    運動学習の一つの課題として、そのことを理学療法士として突き詰めていきたいと感じました。
    10年後までにはその成果を報告できるかと思います。
    神経理学療法学会の今後に注目させていただきます(^^)

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