新しいミッションを持った、新しい「白衣」です。

イメージの原点は、パリの紅茶専門店。

「リハビリテーション・リゾート」には、病院ではなく、ホテルのスタッフのユニフォームを作るというような新たな発想が必要でした。そのベースになったのが、前から好きだった『テ・マリアージュ』というパリのマレ地区にある紅茶専門店のユニフォームです。今回のコンセプトに合うことを確かめるため実際にパリの店を訪ね、この方向性でいこうと確信しました。どこかクラシックで、コロニアル風なデザイン要素もあり、着る人が格好良く見える。素材はポリエステルではなく天然繊維に近いものを使い、質感もパリッと糊がきいたものではなく少し水を通したようにしたい、とイメージが膨らんでいきました。

患者さんにも着てみたい、と思ってもらいたい。

服はステータスや職業の証明であったり、自分の役割を認識したり、気持ちをかき立てる等の要素をもっています。今回は、働く人に新しいミッションを感じてもらいたい、そういう思いを込めてデザインしました。新しいユニフォームを着ることで、意識が変わり、「リハビリテーション・リゾート」ならではのアプローチが、自然にスタッフのなかから起こってくると思っています。患者さんにも、先生たちが着ているユニフォームを見て、自分もこんな服を着て街を歩いてみたい、早く社会復帰して働きたい、そんな気持ちが起こってくれたら、うれしいですね。ニューヨークコレクションの準備と同時並行の仕事でしたが、どちらもビジュアル的にも、機能的にも新しく、新たな可能性を作ることができたと、自分でも納得しています。

滝沢直巳

ユニフォームデザイン
滝沢直己(たきざわ なおき)

株式会社 NAOKI TAKIZAWA DESIGN 代表取締役 / ファッションデザイナー
www.naokitakizawa.com

1982年三宅デザイン事務所入社。1998年第16回毎日ファッション大賞受賞。1999年「ISSEY MIYAKE(Men's & Women's)」のデザイナーに就任。フランクフルトバレエ団の『EIDOS TELOS』のコスチュームデザイナーとしてThe New York Dance and Performance Award(BESSIE AWARD)受賞。2003年カルティエ現代美術財団での展覧会『Yanomami Spirit of the Forest』に参加。2006年株式会社 NAOKI TAKIZAWA DESIGN設立。パリのケ・ブランリー美術館のカーテンをデザイン。その仕事が認められ、2007年フランス文化省より、芸術文化シュバリエ勲章を受章。