StarFlyer Japan

先日、東京で開催された研修会に参加した後、仕事の都合で関西空港に向かうために初めてスターフライヤー(SFJ)を利用しました。百聞は一見に如かず、ということで、以前から体験してみたかったのです。
SFJは新北九州空港がベースで、7年半前の開港に合わせて初就航、関空-羽田は6年前から営業を始めている航空会社です。釜山にも飛んでいます。黒を基調とし、座席も黒の革張りで、それぞれの席にTVを装備しています。比較的ゆったりした快適なスペースを持っていて、同じ機体を利用しているPeachとは真逆のサービスを提供。Peachほどの安い設定ではありませんが、大手航空会社よりは安い運賃設定です。関空-羽田片道で最も安いものが7300円、市内交通費を考慮しても新幹線より4000円くらい安くなります。北九州-釜山往復で8000円台の設定もあります。創業以来、日本の航空業界顧客満足度第1位を誇っています。
こういったサービスを提供しようと考え会社を設立し、それに沿って運営を徹底していくのは難しいことではあります。特に日本人の多くが巨人、大鵬、卵焼きを選択する性格を持ち、長いものに巻かれることを良しとします。そのような国民性を相手に挑戦していくわけですから、SFJやPeachの企業戦略にはとても興味があります。

最も人間らしい思考活動をする前頭葉10野が価値の転換を図っていくためには、そのすぐ側にある46野の働きが重要です。新参の航空会社は言わばこの脳のシステムに挑戦しているわけです。よほど美味しいものを見せなければ脳は行動を起こしませんし、搭乗率は増えません。
私がリハビリテーションの世界に入った当初の20年間で学んできた技術の多くは根拠がなく、ガイドラインでも最低ランクに位置付けられている有様です。そこから脱却しなければならないのが私たちの世界ですが、それを受け止めることができない臨床現場が圧倒的に多いのも事実です。皆で赤信号を渡っているのです。
その価値の転換を図れるような46野を持ち合わせることと、今までとは違った視点の概念に触れてみる勇気と行動力を持つことが大切だと思います。

コメント (12)

  • senri より:

    ptsさん、しばらくブログから離れていましたので、コメントに返事を書けず、失礼いたしました。
    私の両親はまだ私が小さい頃、脳卒中を発症し、その日に亡くなりました。私がこの仕事を知ったのが1970年の暮れでした。内科医の義兄が教えてくれたのです。彼の説明の中にその対象は「脳卒中」や云々、という文言が出てきてスイッチが入ってしまいました。それまでは獣医になろうと思っていたのですが、両親が脳卒中であったことが背景にあって、義兄の説明が決め手になりました。九州リハビリテーション大学校を受けたのですが、受験勉強も間に合わないような時期でしたから、ぶっつけ本番の受験でした。なんとか神様が手を差し伸べてくださって、PTになることができました。途中、何度か挫折もありました。ラーメン屋さんをしようかなあ、なんて思ったりしたこともありました。でも、踏ん張って、ここまで来ました。PTになってとてもよかったと思っています。

  • pts より:

    先生はなぜPTになりたいと思ったんですか。

  • senri より:

    aisakuさん、こんばんは。
    医療従事者の存在価値は言うに及ばずですね。
    もちろん気に入られることばかりをすることが良いことではありませんので、私たちのなすべきことの基準や規格化を明確に進めながら臨床に向かっていく必要があると思います。そのような観点に立つと、私たちの世界はあまりにもお粗末な状況だと思っています。
    やらねば。確実に歩を進めなければなりません。

  • aisaku より:

    風が読めなかったです(汗)お疲れの先生をさらに疲れさせてしまい、申し訳ないです。
    私の46野はちょっとお疲れだったようです。
    低コストと安全面の両立って難しいですよね。私たち医療も人件費が他職種より高く、患者さまのケアを充実するためにはどうしても人が必要となります。しかし、経営側面だけ考えると、あまり人が増えることが好ましくないですし。
    せめてリハビリテーションの従事者は自分たちの人件費以上の価値を生みながら、患者さまに貢献できるよう肝に銘じておかなければと思います。

  • senri より:

    aisakuさん、・・・。

  • aisaku より:

    asukaさんが言うとおりですね。
    安全第一、佐藤第一です。

  • senri より:

    おっと、そうきましたか、asukaさん。
    逆に1本とられてしまったようですね。
    ありがとうございます。気をつけます。

  • asuka より:

    こんばんは.
    安全性が第一.つまり健康を害さないことが第一.
    先生は特に自分のお体をご自愛くださいね.

  • senri より:

    asukaさん、こんばんは。さすがですね。
    大空高く飛び立ってください。
    臨床でもそうですが、安全性がなによりも優先されることはおわかりですね。
    楽しみにしています。

  • asuka より:

    こちらこそ,背中を押してくれるお言葉をいつもありがとうございます.
    正しい判断をするためには過去の経験以上に,
    科学的根拠のある医学をもっと身につける必要がありますね.
    私自身まだまだですが,一歩ずつ質,量を高めてよりよい判断ができるようにしたいと思います.

    低空飛行を離陸できたと喜んでいてはだめで,
    着陸すべき空港へ移動するために大空高く飛び立つ勇気,行動力を持っていきたいものですね.
    精進します.

  • senri より:

    asukaさん、いつもありがとうございます。
    その価値を見極めるのが前頭連合野ですから、その能力を問われますね。
    判断していくためには過去の経験や情報、知識の質や量が問われることになりますが、
    私たちの場合、判断に必要なそれらの質も量も足りてませんね。
    根本的な課題です。
    このままではなんとか離陸しても着陸すべき空港を見つけることはできません。
    asukaさん、期待してますよ。

  • asuka より:

    おはようございます.
    LCCの中でも成功する企業,失敗する企業とあり,
    それぞれの企業戦略を見極めないといけないですね.

    リハビリでも違った視点の概念に触れる勇気と行動力は重要ですが,
    やみくもに新しいものを取り入れるのは軽卒だと感じる場面もあります.

    46野を活性化させて美味しく見えているだけか,本当に美味しいのか,
    判断した上で価値の転換を図りたいと思います.

    46野がより良く活性化するためにも,何事にも前向きに捉え,行動することが重要ですね.

    成功しているLCCには乗客のため,乗客を楽しませようとする工夫が
    たくさんなされているように感じます.

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