梅雨とクチナシ

NEC_2084南九州を中心に雨の被害が続いています。これまでも水の被害をたくさん見てきましたが、家も命も根こそぎ持っていく水の力は侮れません。どうぞ、お気をつけください。

今朝、出勤するとき、大阪は久しぶりの雨になりました。早速、クチナシのもとへ。それはそれは、素晴らしくいい感じに濡れていました。やはりクチナシには雨が似合います。風もあって、自分自身も濡れながら撮った写真ですが、なかなかのショットになったとひとりで喜んでいます。

今、ANAで東京に向かっています。機内ではオーディオ番組を聞きながら仕事をすることが多いのですが、面白いときは何度も繰り返しながら落語を聞きます。最近では立川志の輔さんや桂雀々さんの語りが印象に残っています。今月は先日亡くなられた人間国宝桂米朝さんの特集です。
落語を何度か聞いた後は斉藤安弘さん、つまり、あんこうの「オールナイトニッポンClassics」を聴きます。梅雨の今月は雨に因んだ曲の特集です。やはり、この時季は雨、雨、雨です。あっ、そういえば、あめあめ降れ降れ、もっと降れ~~、八代亜紀さんの歌は入ってません。いい曲だと思いますけどね。カスケーズの「悲しき雨音」、湯原昌幸の「雨のバラード」、イルカの「雨の物語」、岩崎宏美さんの「聖母たちのララバイ」等々。やはりこの季節に聴くとまた胸にしみるものがあります。
さあ眠りなさい 疲れきったからだを投げ出して 青いその瞼を 唇でそっとふさぎましょう~~ この都会は戦場だから 男は皆 傷を負った戦士~~ 私にだけ見せてくれたあなたのその涙~~ うーん、雨が出てきません。涙が雨??
今月のゲストが岩崎宏美さんで、特集とは関係なく岩崎宏美さんのおすすめの曲ということでした。岩崎宏美さんの歌は王道を行くものですね。聴き入ってしまいます。特にこの聖母たちのララバイは素晴らしいと思います。王道の中の王道です。
この季節に雨が降るのも正道。以前の梅雨は雨がしとしと、そしてジメッとした感じだったと思います。最近の雨は元気な男の雨のようでもありますが、やはりこの時季に雨は降らなければならないのです。そしてクチナシもその雨を待っているのです。それが正道です。

さて、脳卒中のリハビリテーションに正道はあるのでしょうか?
少なくともこれまでの50年間で行われてきた内容を見ていると、正道は存在しなかった、と断言せざるを得ません。何かにとりつかれたように、集団から外れたくないという思いが先行した世界だったと思います。科学するためには前頭連合野の46野や9野をしっかり働かせて、とりつかれたものを排除し転換する必要があります。常にそのような思いを持ちながら事実を受け止め、そして何よりも人間である患者さんたちの個にしっかり向き合うことを忘れてはいけないと思います。
正道を作りましょう。

コメント (12)

  • senri より:

    中谷さん、こんばんは。
    確かに百年目を病院でご披露いただいたら、3単位分になってしまいますね。
    中谷さんも百年目を演じることができるようになられたら、ぜひ正面で拝聴したいと思います。
    楽しみにしていますよ。

  • 中谷 より:

    吉尾先生、さすがに『百年目』は病院では難しいですわ…
    生前、米朝師匠はあらゆるネタのなかでも百年目が一番難しい、と言ってたそうです。

    また、いつでもお呼びください。

  • senri より:

    c.t.nさん、おはようございます。
    そうそう、それでよいと思います。
    そのペースで、今の自分の力でつなげるところまで。
    それを繰り返すことによって、そして自分自身の人間としての成長によって、
    そこで処理できる深さも幅も大きくなっていきます。
    そのためには時間経過が必要ですし、その過程で休息が必要です。
    亀さんです。

  • c.t.n より:

    吉尾先生 こんばんは。
    早い時間にコメント、ありがとうございます。
    あせらずゆっくり、ゆっくり、ですね。まるで亀のようですね。
    けれど亀は水の中では早いということを聞いたことがあります。
    それはともかく、それが患者さんをみるときのICFの考え方ではないのかなと思ってます。
    脳システムついても少し似ている部分があるとも思ってます。
    そしてきっと、それを抽出したらきりがない。そのような気もします。
    しかし抽出するとなるとその患者さんを反映できるようなことは案外でてこない、のかもしれません。
    けれど抽出することによってみえることは多くあるとも感じてます。
    そこでどう繋げていけるか、ですかね?
    自分自身は今、経過を追っている方に関しては少しはつながりがでてきました。
    でもまだまだです。
    9野があることは知っているのですが、、、

  • senri より:

    箕面のNさん、おはようございます。
    梅雨にクチナシは似合いますよね。
    このような自然の写真は一期一会の世界ですから、そこは見逃せません。
    雨が降っていたとしても、いい感じの花がそこにないとダメですし、そもそも私にそれをできる時間がないと撮ることさえ難しくなります。今回はうまくいきました。
    脳のことがよくわかってきましたし、セラピストはそれを背景にしっかり取り組んでいかなければならないと思います。さもなければ薄っぺらな関わりしかできないはずです。プロフェッションとして恥ずべきことですね。
    時期を逃さず、取り組んでいきます。

  • 箕面のN  より:

    クチナシきれいですね。僕もこの間いい写真を撮れました。さて、脳卒中の理学療法については、臨床による経験のみでそういう意味では中医学と何ら変わりはないと思います。効果がでれば、ろくな検証もせず、脳はブラックボックスで逃げていたと思います。脳科学がわかってきている今こそ、タイプによる適応を研究していく時期に来ていると思います。患者様のために、Nより

  • senri より:

    c.t.nさん、こんばんは。遅い時間に、ありがとうございます。
    物事を知るたびに私たちの脳は洗練されていきます。
    ここで注意しなければならないのは、良いように洗練されるとは限らないということです。
    その過程でちょっと選択肢を間違えばあらぬ方向に進んでいくということです。
    自然科学の研究手続きの中でもそのようなことが起きた事件がありました。
    だから、焦らずゆっくりゆっくり手続きを踏んで、ということです。

  • c.t.n より:

    吉尾先生 こんばんは。
    写真、綺麗ですね。なんとなく、ほんのり、です。
    雨が降り、その中クチナシのもとへかける先生の気持ちはウキウキ!とそんな感じがしました。
    クチナシ、そのような花言葉なんですね。ひとつ勉強になりました。
    素敵ですね。
    風邪ひかないように気をつけてくださいね。

  • senri より:

    中谷さん、こんばんは。
    お久しぶりです。学会でご挨拶したとき、また身長が伸びたのではないか?と思ったりしましたが、まさか、ですよね。
    繁昌亭に行ってこられましたか。お勉強の一環ですね。
    百年目は昔に聴いたことがあります。もうお二人ともいらっしゃいませんが、桂米朝さんと確か古今亭志ん朝さん?の百年目です。最初に聞いたときは結構難しくて、後半はボーっとしていると展開が細かくわからないような印象が残りました。米朝さんのときはバッチリでした。
    次は生で聞いてみたいと思いますので、中谷さん、ひとついかがですか!

  • senri より:

    さすがですね、asukaさん。読み取りましたね。
    私たちは洗練されている状況にはなく、諸々の問題の原因を患者さんのみに求める傾向があります。
    その前に自分自身の状況を見直してみないといけないと思っています。
    洗練されれば洗練されるほど、否定的な評価ではなく、患者さんの可能性を見出していく態度になっていくのではないかと思います。私たちの本来の姿はダメ出しすることではありませんから。
    ダメ出しで幸せはやってきませんよね。

  • asuka より:

    こんばんは.クチナシの花,綺麗ですね.
    クチナシの花言葉は「私はとても幸せです」「洗練」と言われています.
    患者さんがリハビリテーションを受けて幸せだと感じてもらうためにも,
    正道を追求して洗練したリハビリテーションを作り上げなければと感じます.
    患者さんが持てる能力を全て発揮して,その人らしさを取り戻すために!

  • 中谷 より:

    お久しぶりです。

    昨日、当院の若い衆を連れて繁昌亭に落語を聴きに行きました。
    大トリに中堅実力派の噺家さんが『百年目』をかけました。
    吉尾先生は百年目、聴かれたことがありますか?
    脳卒中の理学療法において、私にとっては吉尾先生が大旦那であり、栴檀だなあ、と考えながら聴いていました。

    また、機会があればそちらで落語させてください。

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