上伊那

名古屋から高速バスに乗って3時間、長野県伊那市にやってきました。
西側は中央アルプスに、東側は南アルプスに挟まれた上伊那は木曽のような山間の街かと思っていたのですが、かなり広い街で驚きました。終日雨で、肝心のアルプスが見えなかったこともあって、そう感じたのかもしれません。
信州そばの原点は伊那にある、と何かで読んだことがあります。高遠の蕎麦を食べてみたいという思いもあったのですが、時間的にちょっと厳しく、伊那市駅近くで美味しそうな蕎麦屋さんを探しました。
昔ながらの地元の蕎麦屋さんがありました。こやぶ。蕎麦を打つコーナーの周りにはカウンターがあり、ちょっとしたおしゃれな作り。手巻きの柱時計が12時を知らせた直後、やってきました天ぷらざるそば。蕎麦の風味が漂い、腰のある美味しい手打ちそばでした。
今回は上伊那リハビリテーション研究会での講演。特に脳卒中の装具療法をどのように考え、進めていくのか、解説することが主な目的でした。会場は満席で、熱心に聴いていただき、あっという間の2時間でした。術後10日ほどの初セミナーでしたから、時間的にもちょうどよかったかもしれません。
前回のブログで紹介した術後の体験談も交えながら、脳のシステムのことや解剖学的特性について説明し、何よりも廃用性の諸問題がリハビリテーションの進行を阻害していることをお話しさせていただきました。脳卒中などに伴う諸問題のために廃用症候群に陥ると、そこから回復するのに相当の時間を要します。有期限の診療報酬制度下でのリハビリテーション医療には限界があります。なんとかしなければなりません。
現在のような病期ごとにみていくシステムは患者さんにとってはあまり好ましいものではなく、治療者側には最終的に患者さんがどうなっていくのかよく見えていない世界があります。見届けることができると、何が足りなかったのか、考えるきっかけは作れます。急性期は急性期なりに、回復期は回復期なりに。そして生活期は生活期なりに。課題は山積しています。
お声かけいただいたのは「高次脳機能障害のリハビリテーション」などの著者で有名な本田哲三先生です。先生のサインをいただこうと思って準備していたのですが、出がけに忘れてきてしまいました。最近、こういうことが多いようです。

コメント (6)

  • senri より:

    チャーコさん、おはようございます。
    残念ながらお会いできませんでしたね。
    ミーシャの妹スーリーも、昼間は学校に出かけていて、
    お会いできなかったのではないかと思います。
    申し訳ございません。
    でも、古巣を訪ねると、気持ちもまた新たになっていいものですよね。
    これからもぜひお出かけくださいませ。

  • チャーコ より:

    こんにちは。今日天気良かったので千里リハビリテーション病院に

    遊びに行きました。患者さんもスタッフさんも凄く頑張って

    リハビリしてました。今度、千里リハビリテーション病院に遊びに
    行くときはスワン型の杖で行こうと思います

  • senri より:

    maimaiさん、こんばんは。
    とても参考になるコメントをお寄せいただき、ありがとうございます。
    おっしゃる通りだと思います。
    情報交換のことも、それができるだけでも私たちの関わり方は変わると思いますし、
    それはちょっとしたことでできることなのだろうと思います。
    私たちも決してできるとは言えませんし、努力しなければいけないなあ、と改めて思いました。

  • maimai より:

    こんにちわ。お忙しいスケジュールで、お体は大丈夫ですか?
    廃用の問題。体もやる気がなくなってしまっていますから、そこから若者にお尻を叩かれてもなかなか人生の大先輩である患者様たちは、皆が皆やる気になってくれるわけではありません。きっと、ある程度自分の置かれた状況が把握できる状態になってきたら、現状の状態、これからの可能性、それに対しての治療方針を提示されると、その気になってくださる患者様もいらっしゃるのでしょうね。もちろん、あえて提示しないほうがいいこともありますけれど。
    私は急性期ではありません。転院されてきた患者様やご家族とお話をすると、現状のこと、これからのことを知らされず、なんとなく言われるがままに今を迎えていらっしゃる方がほとんどです。説明がなされていない患者様やご家族様のもうだめだ…といった心境が負の相乗効果で急性期を終えられ、その後の病院や施設にいらっしゃると、なぜここまで動けなくなっているの…そんなはずはないのに…といった状況に遭遇しています。確かにそこからの回復には、時間を要しますし、何よりご説明から入らなければなりません。
    患者様のために、急性期・回復期・維持期といい状態でつなげられるよう、私たちもレベルアップしていかねばなりませんね。
    地域での集まりでも、急性期のセラピストが、現状でいいと思っているわけではありません。彼らは、自身が担当した患者様がその後どうなっていったのか、とても興味があるようです。ただ、なかなかその後の担当者たちも毎回情報を戻せる余裕がなく、お互い情報交換をする場がありません。きっと、それができるだけでも、患者様へのかかわり方は変わってきますよね。

  • senri より:

    asukaさん、おはようございます。
    セミナーにいらしてたんですね。
    お声をかけていてだければよかったのですが、休み時間も、終わってからも質問者が多かったですね。
    私たちは単なる動物をみているのではなく、人格を持った人間をみていくのであり、
    それに対する責任を真摯に全うしていく態度が不可欠だと思います。
    リハビリテーションとは何か、改めて考えていかなければならないときが来ていると感じています。

  • asuka より:

    こんばんは.
    今日は術後初の1日セミナーでしたが体調はいかがでしたか?
    名古屋の開催でしたので,こっそり参加していました.

    私は普段,SCUの急性期,リハビリ科入院の回復期,外来通院の生活期と
    様々な病期の患者様のリハビリに携わらせて頂いています.ありがたい環境です.
    病期によって患者様の状態,機能,能力が違うに留まらず,ニードも違います.

    同じ病期の急性期の患者様でも廃用症候群に陥った方と
    適切なリハビリで順調に回復されている方ではリハビリに対する期待,やる気も違います.

    患者様をその気にさせてリハビリでよい結果を出すためには,
    始めからリスク管理をした上で全力で取り組まなければいけないと感じます.
    そのような日々を過ごした結果,どのような景色が見えてくるのか楽しみでもあります.

    問題は山積みかもしれませんが,日々の積み重ねが新しい未来を創るとも感じます.

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