リハビリテーション栄養

リハビリテーションは栄養がなければできません。しかし、急性期の病院から入院してくる患者さんの8割以上は体重が減少し、低栄養の状態で来られます。その状態で十分な栄養管理なくリハビリを行えば、さらに痩せてしまいリハビリの効果を十分に発揮できない、といった悪循環になってしまいます。

患者さんが効果的にリハビリを行い、体重と筋肉量を増やしていくためには、十分な栄養管理が必要です。当院では、栄養評価のシート(特に体重、筋肉量を重視)を作成し、低栄養の患者さんに対し、個別に栄養療法のアセスメント、介入、モニタリングをして栄養改善を図っています。

当院のレストランではカフェテリア形式で好きなメニューをご自身で選んでいただき、実際に摂取された量をPOSシステムで管理して、必要に応じて塩分やカロリーなどの指導を行っています。患者さんご自身が栄養を考えながら、一皿一皿ご自身で手に取って食事を選ぶ、それもリハビリテーション医療なのです。
また、嚥下障害の患者さんには、早期に嚥下評価と経口補助の方策を含めた栄養療法を行います。経口摂取を目指す患者さんには必要時には胃瘻を造設し、半固形化栄養剤による栄養療法を実施しています。これにより液体栄養剤症候群による廃用を防ぎ、日常生活のリズムを正常化することにより、認知や運動能力の改善や経口摂取が可能になる結果も出ています。


理学療法では、脳外科、神経内科の医師とも連携し、解剖学的な視点から患者様の脳画像をしっかり読み解き、問題がどこで起きているのかを判断し、患者様の状態に合わせてプログラムを考え、運動機能の回復を目指します。

リハビリテーションの中でも、日常生活の動作──ご飯を食べる、お風呂に入る、着替える、靴を履く、そして退院後にご自宅や社会活動、お仕事への参加ができるようになるよう、患者様の要望に合わせ必要な動作の訓練も行っています。

話す、聞く、読むといった、主に言葉やコミュニケーションの訓練と、噛む、飲み込む(嚥下)という食べる際の動作の訓練を行っています。

リハビリテーションは栄養がなければできません。当院では、1日に2〜3時間のリハビリ以外にも動く時間が非常に多いのが特徴です。

30歳くらいまでの若い患者様向けに、在宅復帰だけでなく今後の生活に合わせた練習をおこなえるよう、専門のリハチームが可能性を広げるアプローチをとっています。

当院では、患者様の退院後の生活支援、社会参加支援、仕事場復帰支援を積極的に行っています。

代替療法

歌う、演奏するといった音楽の働きを用いて心身機能の回復を図るため、専用の音楽棟を設けています。

野菜や花を植える、水をやる、作物を収穫するといった、庭や畑などの屋外空間を利用した園芸活動を通して、自然とかかわり、心身共に快方へ向かうことを目指します。

人間の五感の中でもっとも優れているのは、嗅覚と言われています。また、感情と嗅覚には密接な関係があり、人間の基本的な感情は嗅覚が司っています。