らしさ

きれいでしょう、八重のクチナシの花。梅雨にお似合いの花です。とは言え、梅雨らしさを感じさせるのはやはり紫陽花でしょうか。子供の頃から梅雨時に漂うこの甘い香りが私は大好きで、今でも毎朝、香りを楽しんで出勤しています。花言葉は幸せ者とか清潔など、いろいろあります。
先日、数年前に退院された方がお二人、病院にいらっしゃいました。お二人ともとてもお元気で充実した毎日を送っていらっしゃるようで、お話をしていて「らしいなあ」と思うことがいくつかありました。
男性のNさんはなかなか精力的な方で、重度の片麻痺を感じさせないくらい活動的に動き回っていらっしゃいます。ワンちゃんとの日課の散歩もそうですが、京都の神社仏閣やお店にもよくお出かけになります。ヨーロッパで培ったグルメのN氏は、できたての秋ビールを飲みにドイツを旅される予定だそうです。装具や靴に対するアイディアが半端ではないのです。私たちが学ぶことも多く、先日もたくさんの写真を撮らせていただき、早速、義肢装具士にも相談させていただきました。
ご自身の誕生日にお越しいただいた女性のOさんもまたNさんに負けないような努力家です。退院後は私の友人のPTの指導を受け、その後も結構良くなってこられました。私たちは運動麻痺を6段階で表現します。退院されるとき上肢は3段階くらいでしたが、なんともう少しで5段階に手が届くところまでに良くなっていらっしゃいます。心豊かで、他者への思いやりが素晴らしく、存在そのものが教科書みたいな方です。何よりも声に張りがあり、人生を元気に楽しんでいらっしゃる様子が伺えます。Oさんから手紙をいただくことがあります。それはそれは立派で、紙面からあふれるほどの元気に満ちた書体です。それを拝見すると、私も一気に活力を取り戻すことができるのです。
お二人とも人生の途中で脳卒中になられ、大きく躓かれたわけですが、しかし、それをひとつの契機にまた新たな人生を積極的に切り開いていらっしゃいます。そんなお二人に接することで影響を受けることができて、私は人間としてなんと幸せ者だろうと思います。
「らしく生きる」ということは決して簡単なことではないと思います。らしく生きておられるお二人の生きざまは、私を確かに奮い立たせてくれます。

コメント (25)

  • senri より:

    aisakuさん、こんばんは。
    確かにおもしろい企画でしたね。 また考えてみましょう。
    もちろん、コメントいただいた折に、aisakuさんから提案していただいても結構ですよ。
    よろしくお願いいたします。

  • aisaku より:

    こんばんわ。
    今回のクイズの企画すごく良かったですね。ぜひまたこんな企画をお願いします(笑)
    ここの参加メンバーが一つの病院に集まり知恵を出し合っていけたら、ものすごいことができそうですね。
    叶わぬ夢ですが、シンパシーを感じることのできるこの場所と機会を提示していただいている吉尾先生に感謝です。

  • senri より:

    投稿していただいた皆様、改めましてこんばんは。
    aisakuさんの「Human」、maimaiさんの「成長」、めいさんの「寛容」、asukaさんの「passion」。いずれも納得できる提案だと思います。
    元々、このクイズを出したとき、私の中で考えていたものはいくつかあり、答が絞れないために皆さんに問いかけたのでした。
    で、そのとき考えていたことは、「人間」、「許容」、「前進」でした。皆さんの意見と重なりますね。
    基本的に皆さんが前向きですし、positiveな志向性を持っていらっしゃいますね。私もそのようです。
    私は前進をprogressでイメージしていましたが、情熱の意味を持つpassionで迫るあたりはasukaさんらしいですね。
    皆さんで参考にして、明日からに活かしていきましょう。

  • senri より:

    asukaさん、こんばんは。
    私はスマホを使っていませんから分からないのですが、smartでないこともあるわけですね。
    少々案じてましたが、七夕に間に合ってよかったです。
    ありがとうございます。Passionですね。情熱的ですね。

  • asuka より:

    こんばんは。
    今日は早朝から外出していてスマホからの投稿ができずこんな時間になってしまいました。

    忍耐=patient=患者=passion

    と考えました。
    patientは「苦しむもの」が語源であり、患者が辛い治療に耐えることからきているそうです。

    そのようなネガティブではなく、ポジティブな意味にしたいと考えていました。

    そこでpatientの関連する言葉として、passionがありました。
    関連はなさそうですが、passionの語源も「苦痛」で共通していました。

    患者がpassion(熱意、情熱)をもって、前に向かって、諦めることなく、
    忍耐強く障害に立ち向かってほしいと願います。

    ほかにも意見がでるといいですね!

  • senri より:

    めいさん、お久しぶりです。
    このクイズに参加していただき、とても嬉しいです。
    またときどきコメントを寄せてください。
    寛容。意味深いですね。
    他の方のご意見をもうしばらく待ってみますので、お待ちくださいね。

  • めい より:

    吉尾先生、ご無沙汰しております。
    いつもブログ、楽しみに拝見しております。
    文章を書くことは苦手ですがちょっとしたクイズになっていましたので私なりに考えてみました。
    忍耐=patient=患者=「寛容」
    私は受容と迷いましたが、寛容という言葉にしました。
    忍耐ということは、色々なことを受け入れるということもあると思います。
    日々、目の前の患者様と共にリハビリテーションを行っています。
    が、逆の立場だったらと考えると考えるとやはりPTという職業柄受け入れられない事が多くあると思います。
    そんな中、私たち若いセラピストの行う治療に協力して下さる患者様達を考えると上記のような言葉となりました。

  • senri より:

    maimaiさん、おはようございます。
    成長、ですね。ありがとうございます。
    もうしばらく、このままで。

  • maimai より:

    忍耐=patient=患者=「成長」

  • aisaku より:

    吉尾先生、おはようございます。
    このお約束を楽しみにしすぎて、早起きしすぎて目がしばしばしています。
    他の方のご意見も楽しみにしておきます☆

  • senri より:

    aisakuさん、おはようございます。
    七夕の約束、ありがとうございます。
    取り敢えず、確認のコメントだけにしておきますね。

  • aisaku より:

    おはようございます。
    お約束の7月7日7時ですね。
    私が考えていたのは、忍耐=patient=患者=「Human」かなと・・・
    ついつい、患者さんととらえてしまうこともあるのですが、患者さんもHuman。
    病気が特別ではなくて、その人らしさを支援していくという療法士の役割を考えたときにはこの言葉が自分にはしっくりはまっています。
    月並みですが(汗)
    別の案ではクライエントでもよいかと思いましたが、ボツにしました・・・

  • asuka より:

    おはようございます.
    七夕の日,午前7時ですね!

  • senri より:

    aisakuさん、おはようございます。
    ちょっとしたクイズになりましたね。
    きっとasukaさんにも参加していただけるでしょうから、その時、を楽しみにしています。
    折角ですから、七夕の日の午前7時をオープンの日時にしましょうか。
    asukaさんもよろしくお願い致します。
    その他に興味をお持ちの方もいかがですか?
    前向きに、前向きに。

  • aisaku より:

    たしかasukaさんとのコラボが始まったのは1年半前くらいでしたね。気づいてみたら、こんなに長い時間いろいろと意見交換ができて、非常に貴重な場所になっています。
    実は私も初めて書きこんだときにはものすごく緊張をしたことを思い出しました。何せお話もしたことのない雲の上の先生ですから、私なんかが書いていいのかなんて思いました。
    拙い意見にも先生やasukaさんや他の書き込みをされている人がサポートしてくれて、温かい掲示板になっていると思います。
    さて、先生からの宿題ですが、少しお時間を下さい。ゆっくり考えてみようと思います。asukaさんならどのように考えるでしょうね。(いいアイデアがあってもまだ書き込まないでくださいね。)
    患者さんが前を向いていくのは私たちのサポートでは及ばない世界はあると思います。患者さんが最後は判断していくことだと思うのですが、障害受容に関してはついついセラピストやナースなど医療職が自分たちで無理に進めて行っていないか不安になることもあります。
    ゆっくりと時間をかけて患者さんが自分の道を探してもらい受容してもらえばと思います。その結果、患者さんに苦難だったことが、前向きに変わればよいと思います。

  • senri より:

    asukaさん、こんばんは。
    要は具現化することだ、ということですね。
    確かに具体的に動いてはじめて見えてくるものがありますからね。
    私も動かなければ。

  • asuka より:

    こんにちは.
    このブログはaisakuさんとの出会いの場でもあり,吉尾先生には素敵な場を提供頂き感謝です.
    私は始めの1回目のブログのコメントには緊張しました(笑)
    時にはあんなこと書いて良かったかなぁと反省することもありますが,
    コメントし,先生からご返答頂く事で自分の考えに幅,深みが出てきたように感じます.
    コメントするかどうかは忙しさよりも,
    具現化しようとするその人の意志の強さといったところでしょうか.
    どんなコメントをしても吉尾先生が上手くスパイスをかけてくれるので安心です(笑)

  • senri より:

    aisakuさん、お久しぶりです。
    asuka-aisakuの出会いはこのブログでした。お二人のメッセージはなかなか興味深く、学びが多くあります。
    いつもありがとうございます。
    苦難を前向きに捉えて歩んでいくことはそんな容易くできることではありません。
    忍耐=patient=患者=「   」 
    この「   」に文字を入れるとしたら、aisakuさんは何を選びますか?

  • senri より:

    asukaさん、おはようございます。
    asukaさんのコメントの中にも、優しいメッセージの端々に真っ直ぐ前を向いた厳しい一言が含まれています。腑抜けになろうとする私の背筋に喝を入れていただいていますよ。ありがとうございます。
    このブログは結構、たくさんの方々にご覧いただいているようですが、皆さん、コメントしにくいようです。私が忙しいとかなんとか言って、さぼったりしているからでしょうかね?
    もっともっといい意見交換の場になればいいですね。

  • aisaku より:

    おつかれさまです。だいぶん持ち直してきました(笑)
    今のご時世はどうしても安定を好む傾向にあるため、先生みたいに厳しいメッセージを送ってくれる方は本当に未来を考えているからこそだと思っています。大阪府士会、うらやましい。。。なんてこと言っても始まらないので、自分がそんな風になれるよう努力していきます。
    理学療法士をはじめとして、私たちはさまざま評価ツールを活用しています。しかしながら、それに意識が向きすぎて、患者さんの背景にあるものを見落としてしまったまま、声高らかに「リハビリテーションを実施している」と言っている気がしてなりません。
    以前私の患者さんが心不全後に呼吸不全のため、人工呼吸器をつけた人がいました。その後、抜管したあと、対麻痺になった(ICU-AW)のですが、「足は不自由になったけど、入院して人生観が180度変わった」と笑顔で言ってくれました。
    先生の患者さんも脳卒中になって躓いたのではなく、新しい人生のきっかけになったのかもしれませんね。

  • asuka より:

    こんばんは.
    大阪府理学療法士学会での厳しいメッセージ,拝聴できず残念でした.
    真の専門家になるためには甘いだけではいけないと思います.
    厳しいメッセージを頂くことで大いに反省し,
    次の前進する原動力になるのではないでしょうか.

    簡単すぎる課題では学習しません.少しばかり厳しい課題で人は学習します.
    運動学習を生かしてリハビリを行う前に,自分たちが実践しないといけませんね.

    素敵な出会いの場を提供頂きありがとうございます.
    この出会いがもっと増えるといいですね.

  • senri より:

    チャーコさん、おはようございます。
    箕面は今正にクチナシと紫陽花が満開、というときですね。
    散歩もつい楽しくなりますね。
    このような素敵な花を見ていると、心が前向きになっていきます。
    そこに飛行機でも飛んでくると、気持ちは思いっきり前に向かって飛んでいくしかありません。
    また、こちらへも飛んできてください。

  • senri より:

    asukaさん、おはようございます。
    私もそのように思います。私たちがどのような視点や思考回路を持つかはとても重要なことです。
    昨日は大阪府理学療法士学会があり、シンポジストとして相澤病院の原先生とご一緒しました。
    私たちの仕事は患者さんにダメだしすることではないはずです。
    さまざまな可能性を見出しながら具現化していくこと、だと思います。
    患者さんの人生を奪う権利は私たちにはありません。
    そのためにも精進していかなければならないと思っていますし、
    専門家としての私たちの仲間には時には厳しいメッセージを送らなければならないと考えています。
    原先生曰く「吉尾さんのメッセージはさすがに厳しいですね」ということでしたが、
    シンポジウムで砂糖を塗し過ぎてもいけませんからね。
    ここで登場したOさんはasukaさんのコメントをよくご覧になっていて、
    なんと前向きな素敵な方でしょう、とおっしゃっていました。
    このブログはそのような出会いがあるようですね。
    いつもありがとうございます。

  • チャーコ より:

    こんにちはいつも吉尾先生のブログ読んでます

    八重クチナシの花綺麗ですよね。

    私も箕面市に来て3年八重クチナシの花よく散歩の時に見かけますよ

    アジサイもよく見かけて綺麗だなぁと思っています

    私も杖つきながら犬ミニピンチャー散歩したり
    伊丹空港からでる飛行機

    観て います

    私も4年前に退院しましたが 千里リハビリテーション遊びにいきますね。手紙もかきますね

  • asuka より:

    こんにちは。
    先生らしいブログですね。
    昨日、別の病院のリハビリ外来の看護師と話す機会がありました。
    その方曰く、退院後に元気になる方と動けなくなる方と二通りいるとのことでした。

    元気になった方からは、「◯◯ができた」など退院後も様々なことにチャレンジして
    新しいことができるようになる喜びを聞くことが多いそうです。
    動けなくなる方からは、「◯◯ができなかった」など退院後に思わぬ壁にぶつかり
    できないことの多さに落ち込むと聞くことが多いそうです。

    どうなるかは患者様それぞれなのかもしれませんが、
    「らしく生きる」ために退院前の医療者の接し方が重要だと私は感じています。
    退院後にそのお二方のようになるためにも、脳卒中による弊害ばかりではなく、
    脳卒中後の可能性をたくさんお伝えしていきたいですね。

    吉尾先生の生きざまは、私を更に奮い立たせてくれます。
    いつもありがとうございます。

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