一昨日は米子市へ、そして昨日は大津市に出かけてきました。
大津のセミナー会場に入る前に撮った萩の花です。文字通り、秋の草花、秋の七草のひとつで、マメ科の植物です。萩は痩せた荒地でも育ち、種を絶やすことのない強い植物です。
寒くなると地上の茎は一部を残してなくなりますが、春になると根元から新しい芽が出てきます。生え芽(はえぎ)と言います。それが変化してハギになったと聞いたことがあります。
甘党には堪らないおはぎ。もちろん、萩の花を集めたような雰囲気の小豆のあんこから来た名前ですが、日本人の表現はなかなかお洒落ですね。
萩の花言葉は「柔軟な精神」だそうです。荒れ地でもどこでも育つ適応力があり、柔らかくしだれた茎は暴風雨に身を任せつつも耐え忍ぶという、私たちの生き方のひとつとして学ばなければならない植物だと思います。
当院に萩原という理学療法士がいます。耐え忍びながら見事に成長してきた彼女は、その発言に説得力があり、とても存在感のあるスタッフになってきました。
中国ブロック理学療法士学会 in 米子の講演では「時代変化への適応」というテーマでお話しさせていただきました。当然、時代変化を積極的に先取りして、私たち自身が柔軟に変革していく努力を求められているわけですが、一方で過去に積み残してきた大切なことがらがあります。それは私たち自身の手で解決しなければならない課題であり、その放置によって患者さんたちが被害を受けていることも少なくないと私は思っています。その具体的事例を紹介しながら、私たちがなすべきことを述べさせていただいたのです。
最後のまとめで、座長が感極まって言葉をなくされた場面は、私のこれまでの講演活動の中で初めてのことでした。私自身、感動をいただきました。心から感謝申し上げます。

コメント (8)

  • senri より:

    maimaiさん、こんばんは。いつもコメント、ありがとうございます。
    柔軟な精神は物事に広く精通してきて備わってくるものかもしれません。
    そして壁にぶち当たり、背を向けて考え込んだりすることはきっと柔軟さを導いてくれる
    きっかけになるのではないかと思います。
    きっと今でも素敵な花を咲かせていらっしゃると思いますが、
    将来はもっと柔軟で素晴らしい花を咲かせてください。

  • maimai より:

    先生、おはようございます。
    中国ブロック大会、とても素晴らしいご講演だったのですね。
    私も、PTの講演でそのようなことがあることは、聞いたことがありません!

    そして、いつも素敵なメッセージをありがとうございます。
    日頃、何かにつけて、つい平常心を失ってしまう私です。
    でも、それでは前には進めませんよね。
    知識や経験が十二分に不足しているから、ちょっとした壁に背を向けたり立ち往生してしまうのかもしれません。
    これからも、多くの方と接し、たくさん勉強してそれらを積み重ねてもっともっと成長していきたいと思いました。
    地味な花ですが、でもとてもすごく強い花です。
    どこかで見つけたら、是非拝みたいです。いや、あやかりたいです、その柔軟な精神を!

  • senri より:

    スーさん、こんにちは。
    与えられた時間を有効に使いながら、私も努力してまいります。
    よろしく!

  • スー より:

    こんばんは。
    お忙しそうですが、体調はいかがでしょうか。

    先生のおっしゃる通り、主体と客体の逆転をよく目にします。
    特に特定の方法に固執している場合は目が痛くなることもあります。

    その患者さんに合った治療方法を選択するのではなく、その治療方法を患者さんに当てはめるため、主語が”治療”に逆転してしまっています。
    残念ながらそのような療法を受けている最中の患者さんから笑顔をみたことがありません。

    個別性が重要なリハビリテーションにとって、この逆転はあってはならないことだと思います。
    微力ながら、少しでもこの現状が変わっていくように努力していきたいと思います。

  • senri より:

    スーさん、おはようございます。
    萩のブログを書いた後、すぐ病院を離れて、やっとパソコンの前に戻ってきました。
    私たちが守らないといけないのは自身の考え方やプライド、あるいはその仲間や集団ではなく、
    患者さん自身です。
    何も難しくない基本的な話ではありますが、主体、客体が逆転していることをよく感じます。
    空気を変えなければ。
    スーさん、よろしくお願いしますね。

  • senri より:

    チャーコさん、おはようございます。
    いつもブログを読んでいただき、ありがとうございます。
    植物を見ていると、いろんなことを考えさせられますね。
    萩原も元気に頑張っていますので、ぜひお顔を見せてあげてください。

  • スー より:

    こんばんは。
    先日はお世話になりました。

    患者さんが柔軟に物事を解決していくためには、
    我々理学療法士がまず柔軟性を持たなければなりません。

    私は日頃、理学療法士は種々の情報を集め統合する頭頂葉連合野みたいな存在でなければならないと思っています。
    偏った情報は、可能性をつぶしてしまうこともあります。
    やはりその人その人に応じた柔軟でかつ、根拠のある情報提供と治療提示をしなければならないのではないでしょうか。

    先生の講演や講義には、座長の方と同じように言葉をなくす方も多いと思います。
    私も先日の先生の講義で改め多くのことを発見し、私自身を再度省みる機会にもなりました。
    私自身まだ、まだ課題山積です。

    どのような状況の患者さんにも花を咲かすことができるように、課題をひとつひとつ乗り越え、より成熟した頭頂連合野になっていきたいと思いました。

  • チャーコ より:

    こんにちは、いつもブログ読んでいます。台風で雨凄いですよね。萩の草花、本当綺麗ですよね。

    私四年前に千里リハビリにはいってたころ、よく理学療法士の萩原さんにリハビリ学んできました。本当、とってもいいスタッフさんでした。また遊びにいきますね。

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