恋する出目金
各地から台風11号の被害が聞こえてきました。お見舞い申し上げます。良し悪しは別として、人間の力に比べると自然の力はあまりにも偉大すぎます。
テレビのニュースを見ていると、各地の降雨量の凄さがよくわかりました。それが何故かという解説にも説得力がありました。これが科学だという思いを強く持ちました。
リハビリテーションの世界はどうでしょう?
およそ科学とは思えないような場面がしばしば目に留まります。もっともっと努力しなければ、患者さんたちの、社会の期待に応えることはできません。ひとりひとりのスタッフも精力的に取り組むべきですし、病院も、専門家集団としての全国組織も、いやもっと世界的にも研鑽しなければならないと思います。
脳卒中のリハビリテーションは外国の方が一歩進んでいるのでは、と思っている人たちも多いと思いますが、それは必ずしも正しい見方だとは思いません。今、日本の脳卒中のリハビリテーションは多くの課題を抱えていますが、その多くは外国の方法を踏襲してきたからにほかなりません。
もっと、自らの力で脳卒中のリハビリテーションのあり方を考え、提案していくという態度が必要です。大学の教授はその先頭に立って自らのアイディアを示していくべき立場にあります。最高学府の教授たる方々は社会を変革していくことを託されているはずです。誰かのコピーではなく。さて、現状、そのようなメッセージが皆様にはどれだけ届いているでしょうか?
週末は毎年伺っている福島市でセミナーを担当しました。3年前からはゲイトソリューションの開発者の山本澄子先生とコラボでお話しています。私も講師でいながら、ちゃっかり勉強させていただいています。歩行に関するたくさんのデータを示しながらの解説は、臨床家にはたまりません。
今年はそこに川村義肢株式会社の安井匡氏も加わり、客観的な歩行の評価、即時フィードバックをしながら歩行を改善していくそのヒントを示していただきました。千里リハビリテーション病院でも取り入れているゲイトジャッジシステムを利用して、歩行時の関節モーメントや筋電図を記録し、その場で患者さんに結果を示したり、それに基づいたある一定期間の練習の結果と比較してさらなる戦略を考える材料にするのです。何となく行っているかもしれない歩行練習にいい意味で緊張感を与えます。当然の姿だと言えます。
懇親会は江戸屋敷「恋する出目金」という歴史居酒屋で。いろいろな家紋があちこちに掲示してあり、壁には竹刀もあったりして。面白いネーミングですね。出目金は目が悪く、他の金魚と比べると動きがゆったりしています。そういう出目金同士が恋したら寄り添ったまま、じっとしているのでしょうか。
えっ、そんなことよりも私のセミナーの内容についてですか?それは受講した人たちに尋ねてください。きっと、メッセージ性の強いセミナーであったと思います。慶洋さん、そう思いますよね?
コメント (6)
nabeさん、おはようございます。今年も大変お世話になりました。
いつも素晴らしいhospitalityで、感動の福島です。
今回は今までとはちょっと違ったプランを立ててみました。皆さんは大変だったかもしれませんが、それこそが大切なのだと思います。
私たちが考えることを諦めたら患者さんたちに未来はなくなります。
特別なことを考えるわけではありません。それを常識にすればよいだけです。
患者さんたちのためでもあり、私たちにとっては自己実現の喜びにも直結するものですからね。
これからもよろしくお願いいたします。
doiさん、おはようございます。コメントいただき、ありがとうございます。
印象に残るなかなか素敵な存在?でしたよ。存在というか、半分は別の世界にいらっしゃいましたからね。
でも、それが妙に気になるもので、あの場作りにdoiさん抜きでは考えられなかったくらいかもしれませんね。
変かもしれませんが、あの場にいてくださってありがとうございました。
もしかしたら逸材なのかもしれませんよ。ご自身を信じて、いろいろ鼓舞してみてはいかがですか?
またお会いできるのを楽しみにしています。心からそう思っています。
先日はご来福いただき、本当にありがとうございました。
無事にお帰りになられたと聞き、ほっといたしました。
今回も盛りだくさんのメッセージありがとうございました。特に最終日、午後の講習は圧巻でした。
本当に患者さんにとって、自分はよい環境因子となり得ているのか?1つの考えに固着しすぎてはいないか? プロとして、十分な仕事はできているのか? 常に考えてなくてはいけない事だと思います。
今回頂いたものをしっかりと復習して、患者さんに生かしていきたいと思います。
こんにちは。慶洋です。
先日は、3日間にわたり素晴らしいセミナーをどうもありがとうございました。
知らない事の怖さ、多面的に考える事、なぜ?をしつこく突き止めること、情報収集をきめ細かく行なうことなど。一つ一つが、自分の中の日々の臨床を見つめなおすきっかけとなりました。
こんな素敵な内容にあったにもかかわらず、睡魔に打ち勝てなかった自分が情けないです。
失礼な態度をとってしまい申し訳ありませんでした。
あの講習を受けた瞬間から臨床への取り組み方、仕事への取り組み方が変わりました。
より貪欲に結果を追い求めて、お客さんの創造を越える「感動するサービス」としてリハビリテーションを提供していきたいと思います。
9月の先生が講師の研修参加しようと思います。
宜しくお願いします。
Doi
aisakuさん、おはようございます。
そうですか、スーパームーンでしたか。だから大きくてきれいだったわけですね。
しばらく見とれていました。そして、つい先ほども外を見てみますときれいに見えました。
前回のスーパームーンを見た場所は別府でした。
何かのご縁のような気がします。
私たちは特別なものではなく、確たるものを重ねていく努力をしなければいけないと思います。
着実に、です。
その地道な積み重ねこそが必要なことだと思っています。
今回もメッセージ性の強いブログをありがとうございます。
台風の影響は大分もありましたが、雨のほうが強く風被害はあまりなかった様子です。
ゲイトジャッジシステムはとても興味深いですね。
自分たちが行っていることがデータとして表出されることで、初めてわかるところは多いですよね。
理学療法士はSpeculationで語ってしまうところを早く reasoningで語れるようにならないとですね。
いつも頭の片隅に入れて、臨床に当たっています。今冬のセミナーを楽しみにしています。
ところで、今晩はスーパームーンだそうですね。今日を見逃すと20年後まで最大にはならないようです。
先生にご連絡しようと思いましたが、ただいま1時半。。。コメントを見てくれると思い、メールはご辞退させてもらいます。
きれいでしたよ。