課題

盛岡に行ってきました。
南部鉄のこの湯釜、どこかで見たことありませんか? 1年前のブログで紹介しました。そのときと同じ繋温泉の旅館に立ち寄り、温泉に入ってきました。温度もちょうどよい源泉かけ流しの美肌の湯で、乾燥肌の私にはうれしい泉質です。硫黄の香りもして、温泉としては最高のグレードだと思います。そこのラウンジにある湯釜です。
小岩井牧場から網張に向かって走ると山肌は初雪で真っ白になっており、とてもうれしい繋温泉のプレゼントでした。

そのブログでもたまたま触れた「課題」についてカンファレンスで取り上げてみました。と言っても、1年前に書いた課題にはたくさんの意味を含んでいましたが、今回の課題とは課題指向型アプローチでいう課題です。脳血管障害患者のリハビリテーションを進める中でどのような課題を提供するかというテーマです。

課題指向的に行う方がより効果的であるという報告には根拠があるとされています。課題指向型アプローチとは「その人にとって意味のある具体的な課題を実際に近い環境で毎日繰り返して行うこと」と理解してみますと、確かに患者さんはその気になって取り組みやすいでしょうし、効果も出やすいだろうと思います。ところが、病院の中で行われるリハビリテーションの場面にはあまり具体性はなく、個別性も考慮されていないことが指摘されています。その課題を通して、私たちのリハビリテーションのあり方を問い直してみようということでカンファレンスを行いました。このテーマは今後、継続して取り組んでいかなければならないもののひとつであろうと考えています。
しかし現状をみていると、どのような課題を提供するかという以前に、患者さんが持っている問題と潜在的な可能性をいかに評価しているか、ということを問わなければならないと思っています。理解困難な現象もたくさんありますが、それらを明らかにしていく過程に真摯に取り組まなければ、患者さんたちが現状から未来に繋ぐことを奪うことになります。それは私たちの大きな「課題」です。皆さんもそのための努力を惜しまずに、そのための知識を重ねていってください。

私自身の直近の課題はいくつかの原稿を早く書き上げること。それが解決しなければ私に平穏は訪れません。風邪がよくなっても、血圧が落ち着いても、精神的には最悪に近い状態にあります。この状況から早く解放されたいと思いますが・・・。

コメント (12)

  • senri より:

    asukaさん、おはようございます。
    有言実行、難しいことではありますが、努力しなければいけませんね。
    ところで、ブログも熊本弁で、ですか?
    そぎゃんこつ、でくっどか?したこつにゃあけん、ちっとむずかしかばい。
    うーん、なかなか厳しい課題です。
    さて、そういう私は今、熊本空港に到着しました。

  • asuka より:

    こんにちは.
    こちらこそ,いつも嬉しいご返答ありがとうございます.
    私もこのブログに良い空気感があるのも,
    先生や皆さんが自分の考えをこのブログを通じて具現化していることが要因でしょうか.
    後は,私も含めて各自が言葉通りに行動していくことですね.努力します.
    また,ブログが熊本弁というのも楽しそうですね(笑)

  • senri より:

    tetsuさん、おはようございます。
    先日は大変お世話になりました。
    いつも以上に慌ただしい岩手でしたが、内容はとても充実していました。盛楼閣以外は。
    ビスケットの天ぷら、美味しかったですね。ちょっと驚きでした。
    風光舎のコーヒーは格別、いや別格。そこらで味わうことのできない繊細な味でした。
    あれこそがコーヒーだと思います。
    カンファレンスでは多くの気づき、学びがあり、改めて気持ちを引き締めたこともありました。
    ますます力を尽くさねば、と思います。
    これからもよろしくお願いいたします。

  • senri より:

    asukaさん、おはようございます。
    いつも嬉しいコメントをありがとうございます。五感ですか・・・。
    熊本のイントネーションがよいのでしょうかね?
    自分を伝えるというのはなかなか難しいです。
    まして文字となると顔も見えませんし、周りの空気も私がいる場面のものではありませんし。
    まだこのブログの方がよいように思います。何となく空気を感じます。
    asukaさんのようなコメントをいただけるからです。
    自分を創っていくいくのにとても有益な場面です。
    ありがとうございます。

  • tetsu より:

    こんばんは。
    先日のサテライトカンファレンス岩手ご苦労さまでした。
    出席させていただき、再度自分自身の課題が見えてきたように思います。
    普段の臨床のあり方について自問自答していく必要性を感じました。
    今回も慌ただしいスケジュールでしたので、次回はゆっくり過ごせる日程でいらしてください。
    その都度、きれいな景色と美味しい食事が待っていると思いますので…
    今回の目玉は、美味しいコーヒーとビスケットの天ぷらだったでしょうか?
    これからますます寒くなってまいりますので、風邪などめさないようお気をつけてください。

  • asuka より:

    お疲れさまです.
    先生のセミナーが心に迫ってくるのは,発せられる言葉だけではなく,
    その声のトーン,表情,雰囲気など五感を使っているからだと思います.
    執筆になると文字で表現されるので,先生の意図を伝えるのは大変ですね.
    そういうところに執筆の難しさがあるのでしょうか.
    とは言うものの,先生の執筆物が発刊されるのを一ファンとして楽しみにしています(^^)

  • senri より:

    aisakuさん、おはようございます。コメント、ありがとうございます。
    いけませんねえ、疲労が重なっては。
    私の一番の精神的疲労は執筆ですから、全く解消されていません。
    それ以外のストレスはそれなりで展開していきますから大丈夫なのですが、原稿はどうもよろしくないです。
    とは言え、メッセージを託すひとつの手段として文字は存在しますから、努力は必要です。
    この問題をどのように課題指向的に処理していくか、大きな課題です。
    私たちの専門職が本来的に何のために存在するのか、しっかり考えてほしいものですね。

  • aisaku より:

    こんばんわ。
    理学療法士としてリハビリテーションに関わる中で、課題指向は必須ですね。しかし、身体機能の障害にしか目が向いておらず、ADLに目が向いていない人もいるのも事実です。
    法律的に基本動作能力の回復を生業とするということ形になっているのも影響しているのでしょうか?
    そのような意味でも双子法の解決と今の実情に合った法律に変わり理学療法士の職域を変えていかないといけないのかなとも思います。
    精神的な疲労は少しは回復されてましたか?
    私も知らない間に疲労が溜まっていたようで、1日お休みしてしまいました。

  • senri より:

    asukaさん、こんばんは。 いつもありがとうございます。
    この業界の問題を解決するために、カンファレンスでは参加者が前向きに積極的な意見を出し合うことが大切だと思います。
    そのような風土を作り上げていくためにはまだまだ時間がかかるだろうと思いますが、それを目指して努力したいと思います。
    そのような場面を通しながら私も精神的にはよい状態を感じています。
    睡眠時間はそれなりに、つまり私なりに確保していますよ。

  • senri より:

    チャーコさん、こんばんは。
    いつもブログを読んでいただき、そしてコメントをお寄せいただき、ありがとうございます。
    病院にご入院中にあったカンファレンスには原則的に患者さんとご家族に参加していただいていますが、どこの病院でもそのようにしているわけではありません。でも、患者さんご自身のことについて話し合うのに、患者さんやご家族が参加されないというのは変ですよね。
    有意義なカンファレンスになるように、私たち自身、もっと努力しなければならないこともたくさんあろうかと思います。お気づきのことがございましたら、何なりとご指摘くださいね。

  • asuka より:

    盛岡でのカンファレンスお疲れさまでした.
    参加できず残念でしたが,盛り上がっていたようでなによりです.
    「課題」について,現象に捕われてしまい,潜在的な可能性を見る事を放棄している場面を時々みかけます.
    そんな時こそ,「リハビリテーションとは何か」を振り返ることが必要だと感じます.
    そうは言っても,今回のカンファレンス開催など昨年よりも皆の力を合わせて解決する方向には
    向かっているように感じます.
    私にとってそのような前向きな取り組みがあるということが励みになり,
    精神的に良い状態をもたらしてくれます.

    先生の精神的な安定方法はあるのですか?
    様々な方法があると思いますが,まずは睡眠時間の確保から始めてもらいたいです(^^)

  • チャーコ より:

    こんにちは、吉尾先生。いつもブログ読んでます。
    課題と言うか、カンファレンス、私懐かしいです。5年前に私が千里リハビリテーション病院に入院してたときにカンファレンスがありました。
    今でも、それはしてはよくないですよ、という約束を守って、賑やかな家族と一緒に住んでいます。

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