なんばん

今朝は住まいから見る日の出がとてもきれいで、清々しい気持ちになりました。車を走らせながらも、何度も朝日に目をとられるほどでした。千里の桜通りでは紅葉の終盤を迎えています。朝日と桜の紅葉。春の満開の桜も、そして秋のこの景色も、順番などつけられない、とても贅沢な通勤路です。
今日は7時前に出勤しました。私の前に何人か姿を見かけましたが、私がいる部屋では1番の出勤でした。とてもきれいな風景を見て出勤しましたから、上機嫌でパソコンのスイッチを入れてみると、そこにはさらに気持ちを熱くするようなメールが届いていました。盛岡で話したことをお聞きになった方が病院に戻って先輩に熱弁された様子を、先輩であるその方がわざわざメールしてくださったのです。とてもうれしいメールで、今日はますます良い1日になる予感がします。

午後から訪問に同行します。超重度の患者さんがご家族ともども熱心にリハビリテーションに取り組まれ、奇跡とも思えるような軌跡を残されて自宅退院されました。そのフォローを当院のスタッフが続けているのですが、さらに進歩していらっしゃるということで、拝見しに行くのです。私たちの常識を変えるための手続きです。これまでも常識を超えた存在の方でしたが、さらにそれを更新していかれる状況を目に焼き付けておくことで、私たちの世界を変えていく力にしなければならないと思っています。
私たちが日常的に行っている業が何を根拠に良しとされているのか、私には不思議でなりません。周囲を見ていても、自分を見ていても、満足するような根拠もなければ実績もないのです。皆が納得できるようなきちんとした手続きがなされてこそ普遍性は得られていくと思います。少なくとも私は納得できていませんから、私たちの世界にまだ普遍性はない、と判断しているのです。

紅葉の桜通りではナンバンハゼも赤く色づいています。とても趣のある高木の紅葉です。中国や台湾が原産地ですから南蛮と称されています。現代とは違って、もともと南蛮とは中国の南方の異民族のことを蔑称して用いられていたのです。日本でよく見るハゼノキと同じで、白く色づいた実はローソクや石鹸を作る油脂の原料になります。この写真は昨日のものですが、紅葉と白い実の共演はほんの短い期間に見られるものです。月末には葉が落ちて、白い実が枝いっぱいに星のように広がるナンバンハゼを楽しむことができます。ナンバンハゼの一番の見せどころです。

コメント (10)

  • senri より:

    maimaiさん、おはようございます。
    連休のど真ん中なのに、随分早い時間のコメントですね。ありがとうございます。
    先日、訪問した方はそれはそれは素晴らしい進歩がみられ、それぞれの立場の努力を確認できました。
    これまでの積み重ねがあればこそではありますが、ピッチを上げて改善されています。
    一方で更なる課題も見えてきました。
    これからギアチェンジして、より積極的に取り組んでいくことになります。
    もちろん、ただがむしゃらにすればよい、というものではなく、根拠をもって評価し、計画を練っていくことが求められます。そして結果を残すこと。
    その経験は本人にも周囲にも記憶として強く残りますから、セラピストの前頭連合野は次の機会のときにも興味をもってチャレンジするのではないかと思います。
    昨日は金沢で、今日は佐賀で、そのことを皆さんにアピールするために活動しています。
    maimaiさんも「実行」ですね。期待しています。

  • maimai より:

    吉尾先生、おはようございます。
    訪問された患者様はいかがでしたでしょうか。
    是非感想をお伺いしたいです!
    当院には、チャレンジ精神の強い後輩がいます。これでもか、これでもかとがんばっています。私も頭が下がります。ただ、なかなかそれは周囲には感染しないのが残念なところです。
    でも、もっとこういうのがなぜ必要なのかを周囲に伝えていく努力をしていかないと、と感じています。
    私の来年の目標です!
    ・・・ここで断言したからには、実行しないといけませんよね。
    紅葉もおわり、冬本番を迎えるころ、冬眠の準備をしていないで、せっせと働きたいと思います!

  • senri より:

    aisakuさん、おはようございます。
    自らの成すべき努力をせずして得を先に考える。悲しむべきことですね。
    私たちには努力しなければならない課題がたくさんあります。それは個々人がすべきことが大半だと言ってもよいと思います。協会が、国がしてくれなければできないというものではありません。もちろん、協会としての努力は必要ですが、現場からの大きな声があることが重要です。
    aisakuさん、期待してますよ。

  • aisaku より:

    こんばんわ。
    実習生みたいに夜更かししたので、今日は一日大変でした。
    認定を取って何か得があるのか?という話は私も耳にしたことがあります。
    自分にとって得ではなく、患者さまにとって得になるように精進しないといけないですね。
    私は自分が進んでいく道の通過点と受け止めています。取得してみると、また新しい景色が見えて前に進めるのかなって考えています。その中で振り返って足跡を残していかないといけないですね。
    個別性を考えながら、今日も明日も楽しんでいきます。

  • senri より:

    kinoshitaさん、こんにちは。
    先日は遠路お越しいただき、ありがとうございました。
    特に脳卒中のリハについてはまだ十分解明できていないことがたくさんあります。
    というよりは当たり前に受け止めていて、解明するような疑問も持たず、日々過ごしていることが多いのだろうと思っています。それらに対してしっかり挑戦していく姿勢が必要です。
    私も千里はとても好きな街です。これからいろんなことを楽しみながら課題に取り組めたら最高ですね。

  • kinoshita より:

    こんにちは。お疲れ様です。

    先日はご多忙の中、お時間を取っていただきありがとうございました。

    先生のブログを拝見し、また先日の皆さんのお話を伺う中で、自分とは違う視点からの考え方にたくさん学ぶことがありました。当たり前と思っていることに疑問や矛盾を抱くことは難しいですが、私の目指している世界には必要なことであり、私にはまだまだ不足している部分でもあると感じました。

    帰りにはバスを利用させていただいたのですが、紅葉の綺麗な道を通り、私の住んでいる地域では見ることのできない景色で感動しました。ナンバンハゼの白い実は見つけられなかったので、いつか探して見てみたいです。

    本当にありがとうございました。
    失礼します。

  • senri より:

    aisakuさん、おはようございます。
    遅くまでのレポート作成、ご苦労様でした。うまくまとまりましたか?
    誰かがやってくれるわけではなく、そう考えた私たちひとりひとりが力を尽くさなければいけません。
    認定制度が私たちの質の向上に寄与してくれるとすればうれしいことです。
    よく耳にします。認定をとればどういうメリットがあるの?と。
    そのような制度がなくても力を尽くした活動がなされていけばよいのですが、人間は弱いですから。
    社会的な動物が故に必要な制度なのかもしれないと思います。
    ナンバンハゼのように同じように繰り返すことができる、その年の気候や植わっている周囲の状況などによって色づきが変わる個別性、それらこそ私たちが求めるべき業だろうと思います。
    今日も1日、楽しみましょう。今は夢のなかですか?

  • aisaku より:

    こんばんわ。
    普遍性を証明していくことはこれからのリハ業界にとても重要なことですよね。
    その積み重ねが学問として裏付けられていことになるんと思っています。
    たった今、認定理学療法士のレポートが終わりました。このレポートを書きながら、普遍性を形にする難しさと格闘していました。
    それにしても、写真のナンバンハゼの赤と白のコントラスト素敵ですよね。このような姿を見せてくれる自然に感謝しないといけないですね。日常の当たり前のことにハッと気づく感性を磨いていこうと思いました。
    それでは、おやすみなさい。

  • senri より:

    kanaさん、おはようございます。ブログを見ていただき、そしてコメントいただき、ありがとうございます。
    私たちが相手をするのはどうしていいか困っていらっしゃる生身の患者さんとご家族です。
    そこに必死になって向き合う姿勢が私たちには必要で、何の根拠もなく、わずかな経験などをもとに、ただある期間をやり過ごすようなことは許されません。
    昨日、午後から訪ねた方の状態は以前と比べ、機能も生活に直結する具体的能力もかなり進歩していました。
    ご家族とも話しましたが、病院に戻ってスタッフたちと目標の実現に向けて、さらに詳しい戦略について話し合いました。
    kanaさんたちの訪問もあり、昨日はますます楽しみが増えた嬉しい1日でした。

  • kana より:

    吉尾先生こんばんは。

    改めて『OTとして出来ること』を考えたくて、ブログを拝見させて頂きました。

    今日の午後、吉尾先生は患者さまのどのような進歩を見てこられたのでしょうか。
    常識に捉われず、患者さまの回復力や進歩をご家族様と一緒に信じることが大切であると感じました。
    そして患者さまが進歩される過程の中で、患者さまやご家族さまのお手伝いをすることが出来ることなのかもしれないと思いました。
    そのお手伝いをする為に、私がすべきことはたくさんあり1歩ずつ精進しながら行動していこうと思います。

    本日はお忙しい中、お時間を作っていただきありがとうございました。
    失礼します。

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