第2回慢性期リハ学会
3月14、15日、パシフィコ横浜で、第2回慢性期リハビリテーション学会を開催しました。日本慢性期医療協会のサブグループである日本慢性期リハビリテーション協会主催の学会です。学会長は医療法人社団和風会理事長橋本康子、実行委員長は私でした。実質的には半年くらい前からの準備で、よくぞここまで、という出来栄えであったと思います。協会事務局と学会サービスさんの手腕はさすがでした。
学会のメインテーマは「人に近づいた医療へ」。一般演題は300題を超え、講演5本、シンポジウム5本、ランチョンセミナー3本、企業展示もいただき、参加者は945人。第2回の学会で、これだけみても凄いと思いますが、内容が驚きです。協会長、学会長講演は当然としても、厚生労働省医療課長、老人保健課長の講演と建築家安藤忠雄氏の講演が組まれたプログラムです。そのひとつひとつから発せられるメッセージがまた素晴らしかったと思います。
私が今回の学会で一番学んだことは「原点回帰」すべきである、ということです。人間としても、リハビリテーションのあり方にしても、原点に帰らなければならない、ということです。人間とは何ぞや、自分とは何ぞや。このことを常に問いかけながら、あるべき姿を求めていく。対象者の活動や参加に目を向け、生活者としての人間にアプローチしていくことが重要である、と。言うなれば、ちゃんとリハビリテーションの原点を求めて邁進せよ、ということです。
講演者のどなたからもそのような強いメッセージがあったと私は受け止めました。中でも、リハビリテーションの専門家ではないはずの安藤忠雄氏から、その集大成としてのことばで背中を強く押していただいたようでした。
一般演題でも、人間をしっかりみようとしていると思える発表にはグッと迫ってくるものがありました。チームで共に人間をみていく組織を育成していくために、自分自身が率先して原点回帰するように努力していきたいと思います。
大会は大成功でしたが、香川県にある同法人の橋本病院のスタッフたちは、帰りの飛行機が高松空港濃霧のため羽田空港に引き返すというハプニングがありました。16日の朝一番の便で高松空港に向かうと、なんとまたも霧で羽田空港に引き返すという、人生でもめったにない経験をしています。彼たちの胸にも「原点回帰」ということばがしっかりと刻み込まれたことでしょう。
コメント (16)
c.t.nさん、こんばんは。コメントありがとうございます。とても嬉しいです。
人間が好きでこの仕事に就いたのですから、きちんと対応していきたいですよね。
やりましょうよ。やっていれば水かきも、翼も少しできてくるかもしれません。
これからもよろしくお願いいたします。
西日本PTさん、こんばんは。コメント、ありがとうございます。
人間をしっかりみていくことはリハビリテーションに精通していると当然のことですが、計算高くなってしまうと決して好ましい結果は得られないでしょうね。2単位やりさえすればいいのだから、最低限のサービスだけを保証して、結果のことは構わないという姿勢の病院が横行してくるように私にも思えます。悲しいことです。
私たち自身が専門性をしっかり発揮できるように努力していくことがまずは大事ですね。
こんばんは
3th コメントです
遅くなりました!学会お疲れ様でした
私は今までほとんどと言っていいほど学会等に参加してませんでしたが、少しづつ参加するようになって その中のメッセージの大切さにきづきました
そして様々な視点から物事を考えることが増えてきました
その中で 同じ専門職ではない方からのメッセージは とてもグッとくるもの、私にもあります
それは生活の中ならでは、もとい、リアルなひと社会のメッセージであるとも感じます
早期の人間ですが、各期別で出来ることを考える事も必要ですが、同じ “ 人 ” をみおとさない事はさらに必要だとも思います
吉尾先生に きづかされたのかもしれません
そんな私も 信じるのは自分自身かもしれません
mymyですかね??
私の第2回は未完成で、色々考えた結果 構成からつくり直すことにします 半年で出来るかわかりませんが
臨床以外での忘れてた様な久々の回転でパンクしそうですがタイヤ交換も必要なのでいい機会だと思ってます
同じく羽根もマントもありませんが、今年は翼を広げてみようかと
アドバイスお願いしてもよろしいでしょうか?
学会お疲れ様でした。
いろんなニュースを見ていて、会長のリハビリを包括に。という記事に目が留まりました。
地域包括ケア病棟が療養病棟でも取得できるようになり、リハビリの可能性や役割も大きくなり
療養病棟での病床数が急激に増えていることは、急性期から患者様をお願いする立場として
とても心強く、頼りにしているところです。
ただ、これが回復期病棟にまで波及するかもしれない現実・PT/OT/STの専門性にも疑問がうかび
今後どのようになっていくのか・・・リハビリは専門性ならびにその必要性をどこまでアピールできるのか。
ちょっと不安な点がでてきております。
いままでリハビリに力をいれていなかった病院が包括化でリハビリ活性化するのはとても喜ばしかったの
ですが、一部の病院では、包括(平均2単位)ということで今まで提供していたリハビリを減らし、
基準ギリギリのサービス提供を。という経営指針をたてているところもあります。
リハビリの適正単位はどこなのか?
今後考えていく必要があると思っています。
箕面のNさん、おはようございます。スーパーマンのように飛べたらよいのですが、残念ながら私にはマントも羽もございません。短い脚でひたすら動き回っている古来の人間です。このようなエネルギーをいただけるのも、私に関わってくれる多くの人たちのおかげです。箕面のNさんももちろん、そのおひとり。心から感謝、です。
aisakuさん、おはようございます。
aisakuさんの感性はリハビリテーションの理念とそのまま重なりますから、周りに惑わされることなく淡々と進めていかれたらよいと思います。リハビリテーションを日本語で書いたら「愛を作ること」らしいですよ。
吉尾さんという人が少しわっかたような気がして、やっぱり人間だったんだなあと。僕はスーパーマンだと思っていましたから、かなわないと。今日、ちょっと嫌なことがあったんですが、また勇気が湧いてきました。僕も僕なりに生きていきたいと思います。
おはようございます。
私の職場も急性期から回復期、生活期のオールインワンのような病院ですので、いろんな状況は透けて見えてきます。
急性期においては回復期に転院できることがアウトカムになってしまい、患者さんの状態は「ヒト」としての体調の安定に目が向いていて、「人」としての関わりが薄くなりやすいなどです。
会長が言われていることを意識して、医療の場面で何が大事かということを真剣に業界全体で考えないといけないのでしょうね。
マスコミ経由になるとどうしても情報が限定され、真意が見えないことがたくさんあります。
今回のように真意を教えていただけるととてもすっきりします。
ありがとうございました。
箕面のNさん、おはようございます。いつもありがとうございます。
私の一番の趣味は「旅」です。いろんなところに出かけて行って、たくさんの人たちと交流を深める。知らない風景や味を楽しむ。懐かしい景色をみて、昔あった出来事などを思い出す。
その媒介として仕事が存在しているわけですから、いかがですか? この上ない幸せ者だと思っています。
だからこそ自然とパワーアップします。
またお会いしたときに、積もる話をいたしましょう。
吉尾さん、そのパワーはどこから出てくるのですか?臨床に研究にそして今度の学会の中心的な役割、僕には到底真似はできません。遊びたいと思ったことはないのですか?
僕は最近、もちろん仕事にも力は入れてますが、友達との交流、趣味、同窓会の企画等に時間を割くようになりました。昔ほど、仕事一筋ということはだんだんなくなってきています。とは言っても、昔から吉尾さんより仕事一筋ではありませんでしたが・・・。
おひでさん、おはようございます。
この度は学会に参加いただき、ありがとうございました。そして、多くの人が思ってはいても恥部だと感じているところを堂々と表に出されたことに敬意を表します。膝も震えたことでしょう。理解できます。
私たちも必死です。毎日が目の前の重度の患者さんをどのようにして人間社会に戻すか、損得勘定関係なく取り組んでいます。人間相手のことだからできます。
正春も雅春も春を呼ぶ男だと私は思っています。対象となる患者さんやご家族、そしてその仲間たちに春が来るように取り組み、それが得られたとき、私たちは最高にhappyなのです。
夢の中にある魂は動かさなければいけません。
aisakuさん、おはようございます。
日慢協と言いますか、会長は、社会を変えていくために極論をおっしゃっていると思ってください。
何でも3か月まででよい、ということを考えていらっしゃるわけではありません。
現状の機能分化したシステムは内容を伴っていません。それぞれのところがきちんとすることで、回復期も3か月くらいで決着させ、より充実した生活期できちんとした活動や参加を促すように、というイメージでしょうか。
ただ点数とるだけのためにダラダラした医療とも思えない行為が繰り返されるのは好ましいことではない、ということです。つまり、自ら律せよ、ということでしょう。
箕面のNさん、おはようございます。いつもありがとうございます。
環境が人を変える。正にそのような状況にいらっしゃいますか。
しかもそこでの活動で、その組織にもしっかりと影響を与えていく。
人間をみるということはそんなに難しいものとは思いませんが、今の医療や施設は対象者のためのものではなく、サービスを提供する側にとって都合のよいことを第一に考えているところがありますよね。その視点を取っ払うだけで随分変わってくるでしょう。ひとつひとつを言葉に出してみるとよいと思います。
人間は生活を営む社会的動物ですから、特養ならばこそ生活や社会的ということに目を向けていきたいですね。
吉尾先生、こんばんは。
2日間、お疲れ様でした。また、お忙しい中、半年前からのご準備、お疲れ様でした。
今回は慢性期医療協会のリハビリ学会ということで、いろいろ課題をもって参加させていただきました。
その一つが初日に質問させていただいた、狭義の意味での慢性期リハビリ、寝たきり患者さんのリハビリについてでした。明確な答えは出ませんでしたが、武久洋三先生のお話、吉尾先生のお話、いろいろなシンポジストの先生からヒントをいただきました。
また、ランチョンセミナーの後には、酒向正春先生が声をかけてくださり、お話しさせていただくことができました。質問してる最中は、声は震えるし、足もがくがく震えるのが分かるくらいで、しどろもどろで恥ずかしかったのですが、高名な酒向先生に声をかけていただくキッカケとなって良かったです。
酒向先生には著書にサインをしていただき、さっそく読み始めました。
自分の職場は(狭義の)慢性期・維持期ということで、初めから諦めていたところもあったと思います。
今回、参加させていただき、まさに「攻め」のリハビリを実感しました。酒向先生の著書のタイトルのごとく「あきらめない力」を忘れずに、まずは出来るところから、今日から始めてみました。
次回、お会いする時は、いい話ができるように。
こんばんわ。
先生はいつも精力的で刺激を分けてもらっています。
日本慢性期医療協会から回復期リハ病棟の上限が3カ月とすることを要望とするとの記事が出ていました。
何を根拠に3カ月という期間を要望しようとしているのかは今は分かりませんが、日慢協には何か思惑や根拠があるのでしょう。
3か月で成果を出すべきという提言なのか?はたまた慢性期医療の可能性を広げるためなのか?
6か月という数字に何となく甘えているのも事実かもしれません。成果が出せ患者さんが笑顔で在宅に変えれるよう、今一度人間の活動を考え直して、急性期からリハビリテーション医療を改革するべきだという提言だと考えることにします。
前向きに、前向きに。
こんばんは。僕も新しい施設に移り、燃えています。特養だから適当にやれると正直最初は思っていたのですが、まさに人間を見ていくですね。ともすれば技術にこだわり、慢性期だから仕方がないと思っていましたが、この1ヶ月でずいぶん変わりました。新参者ですが自ら率先してやっていくことでスタッフに受け入れられつつあります。具体的には嫌だったグループ体操を引っ張っていってます。また、機能訓練計画書の見直しを始めています。特養はモデルがないので、今あるものは内容が不十分でまた、利用者様への説明の仕方が悪い。A4サイズでいいものにしたいと考えています。