引き継ぐ

この季節の札幌は花、花、花・・・。
自宅では、よく見ないと見逃してしまいそうな勿忘草が可憐な花を咲かせています。チューリップ、ドウダンツツジ、ツルキキョウ、ハスカップが咲き誇っています。ご近所では沈丁花やヤマブキ、レンギョウ、シャクナゲ、ちょっと遅めのエゾヤマザクラがとても綺麗です。
庭ですぐにでも咲きそうなのが、エゾヤマツツジ、サラサドウダン、ボタン、そしてブルーベリー。ギョウジャニンニクも開花間近です。あと1週間もすると街のいたるところでライラックが咲きそうです。自然の営みは世代を着実に引き継いでいきます。
花が好きな人たちはこの時期に札幌を訪れると最高に楽しいことでしょう。本来ならばこの連休に桜の開花を迎えるのですが、今年は暖かく、春の訪れが早くなっています。

例年ですと、この時期には山菜採りに出かけるのですが、今年は目的のギョウジャニンニクは既に遅く、でもヤマウドにはちょっと早く、という状況です。故に、庭に植えているヤマウドと、なんとか食べられそうなギョウジャニンニクを天ぷらにしていただきました。実は連休前から風邪をひいていて、無理はしない方がよいという判断から自前のものにしたというのが一番の理由ですが、この時期に山から採ってきたコゴミの天ぷらを食べられなかったのはとても残念でした。こんなこと、何年ぶりでしょう? 初めてかもしれません。

その代りに、というわけでもないのですが、おふくろのお味噌汁的存在のラーメン屋さんに行ってきました。老夫婦と息子さんで営んでいらっしゃるラーメン屋さんです。札幌に引っ越して間もない頃から、もう20年近く通い続けています。札幌には有名なお店がいくつかありますが、「ラーメンはやっぱりおきもとだね」というのが最終的な私の評価。NEC_1664
最初に行った頃は息子さんはまだお店には立っていらっしゃいませんでした。息子さんがラーメンを作り始めた頃は、味にばらつきがありました。特に濃いめの味噌味になりがちでした。でも、最近ではすっかりお父さんの味になってきました。スープだけでなく、チャーシューが最高に美味しいのです。決して脂っこくなく、肉質で、ちょっとそこらのチャーシューとは物が違います。
受け継いでいくことは容易なことではないと思います。植物のように自然の営みの中で受け継いでいくことは必然的であっても、お店を、そしてそこの味を受け継いでいくためには強い意志が不可欠です。そして日々の相当な努力が必要でしょう。私のように先代から通っている客にとって、味が変わってしまうことは店を捨てることに繋がります。ご主人はすっかりお痩せになってしまわれましたが、初めて会った時の笑顔はそのまま。息子さんの笑顔もまた素敵になってきました。

さあ、私は後進に何を引き継いでもらいましょう? と言っても、本人はまだまだ発展途上のつもりでいます。

コメント (10)

  • c.t.n より:

    吉尾先生、おはようございます。
    recreation ですか。
    この意味は少しわかった気がします。

  • senri より:

    c.t.nさん、おはようございます。
    この課題は自分には難しいなあ、と悟った時、私はその場、その課題から離れます。
    悶々としていても色は綺麗にはなりませんから。
    そして、そこで行う活動を「recreation」と言います。

  • senri より:

    aisakuさん、おはようございます。
    桜を調べてみましたね。
    ソメイヨシノは誕生の努力を考えると、とても意味のある桜ですが、力強さヤマザクラや千島桜が優っていますね。特に豪雪の極寒の中で種を受け継いでいくことは容易なことではないでしょう。
    それぞれの魅力はあるわけですから、まずはそれぞれが表に出せるようにしていけば、自分でつなぐ力を持っていなくても、周りの人々がなんとかするものです。それがソメイヨシノでしょうね。

  • c.t.n より:

    こんばんは。
    実際に クレパスで 『 声 』を描いてみました。当時と比べたら意外でしたがイマイチでした。手がとまりました。

    私は花の事はよくわからないので 千島桜を調べてみましたが ネットではよくわからなかったです。実際にみた桜、今年は初めて花びらに触れてみましたが とても柔らかくて、私には絹みたいな感じがしました。
    何事もみて さわって 確認してみないとわからないのかなと思いました。

    本をみなおして、ふと目にとまったもの
    ことばをお借りして、、、
    具体的に考えられるほどわたしには力がありません。わたし自身迷い多くて弱い人間ですから。迷ったときは原点に立ち返ってみること、原点とは自分の本心。自分の心に聞いてみること。

    人はそれぞれだと思ってます。それぞれの その中のひとつと一つ 、、、私達はどう在ればいいのか どう繋げるべきか そこから迷いがでてきてます。
    先生はどう お考えでしょうか??

  • aisaku より:

    千島桜もエゾヤマザクラも北海道に自生していて、ソメイヨシノに比べてとても力強い色味ですね。
    ネットで見てもわかるくらいなので、実物を見たらもっと生命力溢れる桜なのでしょう。
    千島桜が桜前線の最後を受け継ぐということでまさに今回の内容にふさわしい桜ですね。
    ソメイヨシノは接木をされることで花をつけますが、一代限り。
    それに比べ千島桜やエゾヤマザクラは代を繋いでいくことができます。
    私たちも千島桜やエゾヤマザクラのようになるべきでしょうか?

  • c.t.n より:

    吉尾先生、サクラクレパスは16あります。
    何に描くかによってクレパスの感じが変わってきます。筆と一緒に描くと また違った感じがあります。
    最初はその時々で多様に描くことがてきますが 絵描くものは同じです。どの色が一番しっくりくるか・・・
    やってみないとわかりませんが 私はことばの色もみえるようにしなければ と思ってます。

  • senri より:

    c.t.nさん、おはようございます。
    表現は人それぞれ。 
    どの色が一番しっくりいきますか・・・。
    見つかるといいですね。

  • senri より:

    aisakuさん、おはようございます。
    さすがaisakuさんは目のつけどころが違いますね。
    実はタイトルはいろいろ変わったのです。
    直前のタイトルは「受け継ぐ」でした。
    その前は「おきもと」で、その前は「千島桜」でした。
    おきもとまでは文脈を見れば理解できますね。
    千島桜は根室を中心に北海道に咲く綺麗な桜ですが、桜前線の最後を飾ります。
    つまり、来年の桜前線い繋いでいくわけです。
    ちょっといいお話ですが、千島桜を紹介するといろいろ問題があったのです。
    図鑑で紹介されているのを見ると、いろいろありすぎて、どれが本当なのか???だったのです。
    いつか機会があれば紹介しましょう。

  • c.t.n より:

    こんばんは。
    吉尾先生は札幌なのですね。今日の北の夜空は雲も少なくて綺麗に感じます。そして星のひとつに ぼたんの花をみつけました。
    相田みつをさんを よみかえしてみました。そこには、絵を描くのは旅をするのと同じ 私は今、、と。そうですね、私はもう一度サクラクレパスで多様なカラーで相田みつをさんをスケッチブックにひとつづつ なぞって いきたいなと思ってます。

    講習会 笑顔でお待ちしてます。

  • aisaku より:

    こんばんわ。札幌に帰省されているのですね。
    ステキなGWを過ごされていますか?
    引き継ぐという言葉をちょっと調べてみました。
    色々あると思いますが、私が調べたものでは「引き渡す」と書かれていました。
    個人的には吉尾先生から引き継ぐのではなく、「受け継ぎたい」と思います。
    「受け継ぐ」のほうがとても前向きな言葉が記載されていました。
    でも、まだまだ先生は現役ですから、一緒に「発展させる」のほうがいいのでしょうね。

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