卵は立つか

NEC_2593卵を立てたことはありますか? コロンブスの卵のように立てるわけではないですよ。
物にもよりますが、私は30秒もあれば立てることができます。経験を積むと、どのような形状の卵が立ちやすいか、分かるようになってきます。経験則ではありますが、当たる確率は高いのです。ということは、私の中で理論化することはできなくても、何らかの法則があると言えるのでしょう。
卵は卵でも、生卵は立ちますが、ゆで卵を立てることは不可能に近いのです。なぜかというと、鍋の中で横向きになった卵の黄身の位置が中心からズレてしまうことで、立てようとしてもバランスがとりにくくなるからです。
それならば、黄身が卵の中心に位置するように、ゆでながら卵をコロコロ転がし続ければよいのではないかと考えました。早速やってみました。少し弱めの火でじっくり時間をかけて、箸でコロコロ転がしながらゆでてみました。その結果がこの写真です。なんと5秒ほどで立てることができました。生卵でもこの形状ならば立ちやすいはずだと判断した卵をゆでたわけですから、なおのこと立ちやすかったのかもしれません。
皆さんも挑戦してみませんか。くだらないようなこの挑戦は、私の中で「常識を非常識に。非常識を常識に。」ということばを想起させ、行動へのきっかけになってくれるのです。

1月10日に一月塾を開催しました。今年で4回目になります。毎年1月最初の日曜日に開催しようと決めているのですが、さすがに1月3日は早すぎるだろうということで1月10日になりました。講師料なしで、参加者で会場代を折半するようなボランティア、お年玉セミナーです。230名余の参加があり、とても熱い空気に包まれた1月塾でした。テーマは「片麻痺の運動学的解釈への挑戦」ということで、これまで言われていないような説明を、つまり常識として受け止められていない非常識なことを鈴木、吉尾の二人が紹介し、参加者とともに活発に意見交換するのです。なかなか楽しく充実した1日を過ごすことができました。

この非常識な話が、じっくりと議論と検証を重ねられることで、このゆで卵のようにいつかは独り立ちしていくのかもしれません。
口に出して、行動してみることです。

コメント (13)

  • c.t.n より:

    吉尾先生 こんにちは。
    そうなんですね。
    それから?

  • senri より:

    c.t.nさん、おはようございます。
    この専門性の中では、信じるもの、一致するものというのはなかなか見つかりにくいものです。
    それは科学でない事項が多すぎるからなのでしょうね。
    私は50歳代になってやっとそれに値するものが見つかりました。
    その過程で私が取り組んできたことは
    To see eye-to-eye on an issue.
    です。

  • c.t.n より:

    吉尾先生 こんばんは。
    そうですね。
    ここでいうcoreとは、核心であり芯でもあります。ぶれないようにそれを固めていき、支持基底面に対し重心が一致することで立つことが出来るのです。そこには信じるものがあるからこそ捉えられるのだとも感じてます。
    まるでコロンブスのようです。そしてその卵には二重の光が射していますね。
    是が非でもやってみたいですし、そう願ってます。
    To see eye to eye.

  • senri より:

    c.t.nさん、おはようございます。
    卵の黄身をcoreに置き換えてくださいましたね。
    なかなか面白いトライでしょう?
    ぜひやってみませんか?
    6,7行目のお話が??という感じですが、、、?

  • c.t.n より:

    吉尾先生 こんばんは。
    片麻痺の運動学的解釈への挑戦ですか。楽しそうですね。
    今、とても難渋している患者さんに悩まされる日々であります。
    空間認知系や腹側系の障害があり前頭連合野を働かせることが困難なように感じてます。
    起きてはいるのだけど反応があまりないみたいで、しかし口に出すことは多くなっていて周囲も驚いています。非麻痺側の緊張が高く、その中で半球間抑制を最大限に活かした運動療法やベッド上での微妙なタッチの関節運動には頭が下がります。
    単純に起こすだけではいけないと感じてます。セラピストは環境因子になります。そしてやはり、しっかり立つことですね。
    今日、2人ががりですが長下肢装具を使用し立位練習をしました。良い反応に助手も驚いてました。
    今もそうですが、以前私も迷うことは多くありました。
    けれどやってみて、経験してはじめて気づく大切なことを体験できました。
    「患者さんがそのひとらしい人生を歩めるように挑戦し続けること」
    正にそうだと実感してます。
    その卵のようにセラピストが感じ取るcoreを正しい位置にすることで、どんなに不安定な状態でも立つことが可能となるのだと思います。

    いつも素敵な話をありがとうございます。

  • senri より:

    sumitanik.さん、おはようございます。コメントいただき、ありがとうございます。
    今年もよろしくお願いいたします。
    「めい」はロングコートのチワワの名前です。
    その後、バタバタしていて、失礼ばかりしていますが、またお会いできる日がありますように。
    林様によろしくお伝えください。

  • senri より:

    aisakuさん、おはようございます。
    遠く大分宇佐から一月塾に参加していただき、ありがとうございました。質問やご意見を積極的にいただきましたので、塾が大変盛り上がりました。
    この1年間、いろいろ考えることがありすぎて、ご自身の目をグルグル回さないようにしてくださいませ。
    その成果を楽しみにしています。

  • senri より:

    asukaさん、おはようございます。
    一月塾にお越しいただき、ありがとうございました。楽しんでいただいたようで、私も嬉しいです。
    私たちの世界には何の疑いもなくただ繰り返されていることが多く存在していますが、それが真に正しいことか、何ら検証されないままで経過しているものも多いのです。しかも、それが実は間違っていたということも。
    そこにメスを入れることの勇気は必要ですが、果敢に挑戦していくことが一個の人間である患者さんを大切にしていくことになると私は思います。
    具現化していくasukaさんの姿を想像しながら、この1年を楽しんでまいります。

  • senri より:

    チャーコさん、おはようございます。
    チャーコさんも卵を立てたことがおありですか。さすがですね。好奇心旺盛な方ですね。
    卵が12個もあったら、その中でどのような形のものが立ちやすいか、表面がざらざらしている方がよいか、つるつるしている方がよいかなど、楽しい実験ができそうですね。
    でも、そんなことしていると、お昼の料理当番だったことを忘れちゃいますね。
    今日も楽しい1日でありますように。

  • sumitani k. より:

    吉尾先生、ご無沙汰しております。
    昨日、林さん宅に、行きましたら、先生からの、年賀状が、届いておりました。林さんは、ご家族の名前、憶えておられましたねー!感心です!でも、[めい]ちゃんは、知らなかったと、仰ってました! 林さんが、聞いてみてって、言われたので、、追究心旺盛な、林さんです!!!
    私も、卵、やってみようっと!
    逆さゆでたまごは、やったことがありますよ![白身が中で黄身が外!]思い出しました!

  • aisaku より:

    1月塾はこのブログ常連のasukaさんと参加させて頂きました。
    私たち臨床家の役割として、鈴木先生や吉尾先生から提示いただいたものについて、来年の1月まで活用し、次の1月塾の質問としてだすことかなあと感じました。臨床と研究の融合が今後理学療法の進化につながると感じています。まさに吉尾先生が生卵をお鍋の中でくるくるまわしたように。
    ステキな一日でした。ありがとうございます。

  • asuka より:

    1月塾はこのブログ常連のaisakuさんと参加させて頂きました.
    鈴木先生,吉尾先生のお話は切り口は違うけれど,共通している部分として,
    ”患者さんがその人らしい人生を歩めるように挑戦し続けること”
    だと感じました.
    常識とは「一般の社会人が共通に持つ知識・意見や判断力」と言われています.
    だから,常識と非常識を使い分けながら真実を追い求めること,
    挑戦し続けることを1月塾から学びましたので,
    先生方のように自分の考えを具現化していきます!
    充実したひとときを過ごすことができました.ありがとうございます.

  • チャーコ より:

    こんにちは、吉尾先生。いつもブログ読んでいます。
    卵立てたことありますよ。
    今日は私がスタッフさんと料理係でオムレツ作るのに卵12個使いました。
    本当、ゆで卵はちょっと立てるの難しいですよね。

    また遊びに行きますね。

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