平等
今年はうるう年。4年に一度、夏のオリンピックの年に2月が29日になります。明日2月29日が誕生日の人はどのようなお祝いをしてもらっているのでしょうか。4年に1度だけ豪勢に??当事者は他の誕生日の人と比べてどのように思っていらっしゃるのでしょう。伺ったことはありませんが、ちょっと複雑な心境でしょうね。社会が認めている不平等のひとつです。
写真は病院の敷地の中で府道に面しているフェンスに20本ほど並べて掲げてあるのぼりです。「国民健康保険加入者にリハビリテーションを3時間受けれるようにする会」と書いてあります。国民皆保険制度は世界に誇るもので、日本国憲法に保障されて国民は平等に医療を受ける権利があります。リハビリテーション医療では千里リハビリテーション病院のように一定の質を担保していると、患者さんは相応のリハサービスを受けられるようになっています。
具体的には1日の中でPT、OT、STを合計9単位まで受けることができます。1単位は20分ですから合計180分、つまり3時間のリハビリテーションサービスを受けられるわけです。いくつかあるどの医療保険に加入していても、それは平等に受ける権利があります。
ところが、地方自治体の国民健康保険連合会によってはそれを「否」としています。大阪府下の主だった自治体でもそのような状況になっています。当然のように千里リハビリテーション病院に入院されている大阪府内の患者さんたちについてもそのように取り扱われています。9単位はだめで6単位にしなさい、というわけです。
私たちはその患者さんに必要があって9単位行っているわけであり、相応の成果もあげています。故に6単位にする理由がありませんから、9単位実施しています。1人のセラピストが1日に、あるいは1週間でできる単位数が制度上決まっていますから、人的不足が生じる年度末では少し減じなければならない状況が生じますが、国民健康保険のように理由もなくほぼ一律にカットするようなことはありません。
千里リハビリテーション病院で9単位のPT、OT、STを受けていらっしゃる、あるいは受けて退院された国民健康保険加入の患者さんたちはこの事実をご存じではありません。国民健康保険連合会から「過払い金」の通知と払い戻しがないからです。そして、千里リハビリテーション病院においては年間で約1億5千万円分の無料サービスをしていることになります。
住んでいる自治体によって、また加入している保険によって不平等な扱いを受けることを日本国憲法は「良し」とはしていないはずです。
コメント (8)
チェックマンさん、こんにちは。
ブログにお越しいただき、ありがとうございます。
また、頻回にセミナーにお運びいただき、重ね重ね、お礼申し上げます。
チャップマンさんの主張に私も同意見です。脳の神経生理学あるいは生化学的にも効果がないとは言えないでしょう。6単位や9単位の中身をどうしているのか、また、FIMという評価ツールの問題なども考えていかなければならないと思います。しっかりとした根拠に基づいたトライをこれからも続けてまいりたいと思います。
神経理学療法学会にも積極的に参加され、ご自身の主張をなさってください。
今後を期待しています。
吉尾先生こんばんは。
先日関東で吉尾先生のセミナー受講させていただいた者です。会場で先生に「10回、いや15回位は来てるんじゃないか?」とご指摘を受け、回数を調べたところ、なんと11回にもなっていました(笑)。しかも全部自費です。それでも私の周りにも自費で5~6回行っている者は結構いますよ。
以前セミナー後の質問で、私が担当していた歩行獲得が困難な患者さんのことを相談させていただいた時もありました。その方は歩けるようになって自宅に帰られました。初めて先生のセミナーを受講した時はお話の2割程度しか理解できませんでしたが、今は8割程度理解できるようになったので、吉尾先生の講座はもう卒業でもいいかな?と勝手に思っています。時を同じくして協会の新人研修プログラムも終了できましたので、神経理学療法学会に登録しました。これからは学術集会にも行ってみたいと思っています。
本題の「国民健康保険加入者に1日3時間のリハビリを」とのことですが、今回の改定は、昨年12月の中医協の「6単位以上の介入でADLの向上に差が無かった」という報告が根拠になっているようですね。私はこの報告に疑問を感じます。同じ9単位でもプラットホーム上での9単位と、立位歩行を中心とした抗重力での9単位を同列に論じることに誤りがあると思います。
日頃から「寝転がって揉んでるだけ。これがリハビリかい?」と疑問を感じることが多くあります。吉尾先生のセミナーに数多く参加させていただいたのも、その疑問を解決したいという思いからでした。早速、教えていただいたHirschbergの文献(日本語訳ですが)を手に入れました。もちろんBobathからも学ぶところもあると思います。
先生に教えていただいたことを基本にしながら、今後も勉強を続けていきたいと思います。この場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。
c.t.nさん、こんばんは。
なかなか重いコメントですね。
改めて、ことばを吟味しなから真摯に取り組んでいかなければと思いました。
いつもありがとうございます。
miyuki.kさん、こんにちは。
腰が痛いのにPCに向かってくださって、申し訳なく思います。
果報は寝て待て??ちょっと違いましたね。
まあ、焦らずに、ということですね。
以前からよく言います。日にち薬ですよ、って。
チャーコさん、こんにちは。
いつもご覧いただき、そしてコメントをいただき、ありがとうございます。
住んでいる地域によっても随分な違いを感じたりすることがありますね。
私は元々熊本の田舎育ちですが、そこと比較すると大阪は恵まれていると思いますが、大阪の中にあっては、またそれぞれの思いも違うわけですね。
でも、千里というエリアは住み良い街ですね。
吉尾先生 こんばんは。
今回は憲法や国民健康保健制度など難しいですね。
回復期リハビリテーションの献身的に取り組む姿勢が伝わってきます。急性期も一所懸命に取り組んでいると思いますが、まだまだ不十分なことが多く存在すると感じてます。単純に早期介入・単位取得数を増やせば良いという訳でもなく、相応の成果が伴わなければならないと思います。さもないと、科学的根拠があるとされている早期理学療法のグレードAがグレードDとなってしまいます。
近年は地域リハビリテーションや地域包括ケアシステムが波及してきており、システムやネットワーク、連携が必要とされています。しかしながら、それらの構築や連携強化が最終的な目的となってはいけないとも思います。私たちは、地域包括ケアシステムという概念的ことばにとらわれすぎず、一人の人のその先にある社会的生活を考え、その先に担当する方々にしっかりとつなげることが重要だと思います。刷り込まれた文化の功罪を視野において考えていかなければならないと感じてます。
これらは医療倫理・生命倫理の視点からも説明できるかと思います。医療倫理は医師の倫理ともいわれています。生命倫理はその先端技術の進歩、高齢者の増加や植物状態の患者の増加などを背景とし、生命科学とヘルスケアの領域において道徳原理により検討されるような人間行為を体系的にとらえ、物語に基づく医療、行動科学的対応などの配慮をすることとされています。
理学療法は英語ではphisical therapy、phisiotherapyが用いられているそうです。前者は身体的、物理的、自然界のエネルギーとして用いられていて、物理内科と呼ばれていて主に疼痛の治療を対象としてかつて行われていた治療手段だそうです。論理的にも医学の父といわれるヒポクラテスの時代には正しく物理医学が主流だった点からも「医師」を表す英語はphisicianだということです。後者はphisiology;生理学の接頭語を用いた用語であり、生体の望ましい生理学的反応を期待していると解釈すると極めて合理的な概念だと考えられます。
包括的地域ケアへとシフトしつつある今、変還する社会保障制度の中で真にプロフェッションとしての姿勢を堅持しつつ、柔軟に自らの理念、哲学、方法論を社会の要請に応えられるべく適応性を高めておく必要があります。さもないと、理学療法は化石化してしまいます。いくらその存在をアピールしても、周囲は振り向いてくれなくなります。
それから現場での口調や使用する用語は適切か、レッテルを貼っていないか、疑問となることは数多く存在するとも感じてます。
こんにちわ、早速の返事を頂き恐縮です。26日に大学病院に行き後3か月の診断書が出ました。痛みがあるときは安静が一番と言われほとんどベッドにいます。リハビリが気になりますが入院していないと貴院にはリハビリ入院は出来ませんですよね。久しぶりに滝井の病院に行き、タクシーが早く着き学生時代からお世話になっていた、手作りのサンドイッチを買いに行きました。値段もわずかしか上がっていなく味もそのままでとても嬉しかったです。青春時代の味がそのままで、おばちゃんの愛情を感じました。近くにおせんべいのねぼけ堂があり、つい買いました。以前田舎のお土産にしてました。今、近所の方に食事や買い物をして頂いていますが、遠くの親戚より近所の方の優しさに感謝しています。診察に行ったのも、ずっと一人でいると人に会うのが嬉しかったです。社会から疎外されている感じばかりして、寝ているのも辛いですが近所の方に助けられています。もうしばらく痛みが治まるまで寝て過ごします。
吉尾先生、こんにちは。いつもブログ読んでいます。
平等・・。国民健康保険加入者にリハビリテーションを3時間受けれるようにする会、私もときどき見かけます。 いつも箕面市のもみじだより見ては私、ため息ついて作業所に行ってます。豊中と箕面の違いがいろいろありましてね。 平等のブログ読んで、しみじみ感じました。箕面からも豊中の作業所に行ってる方が何人もいて、頑張ろうって思っています