出会い

先週末、名古屋と奈良に出かけてきました。旧友と出会って楽しい語らいがあり、また、セミナーで会う度にグイグイ迫ってくる理学療法士の目を楽しみ、初めての出会いで心に響くことばをいただいたりして、とても充実した2日間でした。

嬉しい出会いが2つありました。まず、新渡戸さん。五千円札で一躍有名になった名字ですが、この新渡戸さんも同じ岩手県出身。世の中狭いもので、盛岡にいる私の親友が臨床実習指導者だったそうで、加えて、お父様が札幌の自宅の建築をお願いした会社の方でした。名古屋駅までお迎えいただいた頼もしいドライバーでしたが、聡明で、セミナーのモデルとしても最高、大主任(オオトリ)を務めていただきました。

もう一つの出会いは、高島さん。36年前、公私ともに他者には理解できないほどお世話になった野球部の監督・胸部外科医の息子さん。彼が理学療法士になることを決めたひとつの因子に私の存在があったそうで、理学療法士になった彼に出会えたことは大きな喜びでした。ご家族で札幌までお越しいただいて間もなくお父様は亡くなられたのですが、お父様が医学を学ばれた奈良で理学療法士として活躍している彼の目を見ていて、これからも自身を律していかなければと心に言い聞かせたのでした。

患者さんやご家族と医療スタッフとの出会いの多くは意図的なものではありません。特に患者さんたちの立場からすれば、病院の選択は意図的であっても誰が担当してくれるかは実際に面してみてはじめて分かることなのです。WHOの国際生活機能分類(ICF)でいう「環境因子」について、多くのリハビリテーションスタッフたちは患者さんのご自宅やその周辺地域、職場、あるいはご家族などをその対象として考えたりします。しかし、当の患者さんにとって、今一番重要な環境因子は入院している病院そのものであり、そして今正に身を委ねている医療スタッフたちなのです。私たちはややもすると患者さん側の評価にばかり力を注ぎますが、同時に自らの存在や技量などが目の前の患者さんやご家族にとってどうなのか、しっかり見つめる責任があります。そのことを怠ってはならないのです。折角の出会いをより良いものに構築していくために、必ず実践して欲しいものです。

20101116朝陽

今朝、このような朝陽に出会いました。千里の私の部屋からの荘厳な光景でした。

コメント (5)

  • asuka より:

    >出会いは波長の交流

    素晴らしいコトバですね。
    自分がそこに存在している限り波長は途切れず続いて行くものだから、
    今後も嬉しい出会いが待っているのですね。

  • senri より:

    asukaさん、おはようございます。
    私たちが発することば、つまり音にしても、姿である光にしても、それは「波」です。
    あの人とは「波長が合わない」という表現をしますが、うまく言ったものですね。
    出会いは波長の交流なのです。

  • asuka より:

    おはようございます。
    先生からそのようにおっしゃって頂けるなんて光栄です。
    ありがとうございます(^^)

    光の輝きの仕方、強弱も発する方の意図通りに、相手が必ず受け取ってくれるとは限らないですよね。フィルターをかけずに相手の意図をそのまま汲み取るためにも、真摯な態度は必要と感じます。また、医療者が患者様や他の医療者の意図を真摯に受け取り、その上でディスカッションできるとよりよい医療の提供に繋がるのではないでしょうか。

    先生のブログを拝見しているとそのような素直な心が養われていきます。
    いつもありがとうございます!!

  • senri より:

    asukaさん、こんばんは。
    最近、私の周りでasukaさんのファンが多くなっています。物事をきちっと正面から、そして時にはちょっと横の方から見て、真摯に対応しようとするasukaさんの姿勢に共感しているのだろうと思います。
    人がそこに存在して、そして光になれるということは素晴らしいことです。しかし、その光が相手に届くとき、直射で受けるのか、フィルターを通して受け止めるのかで、意味合いも異なってくるでしょう。光の輝き方も相手次第、ということですね。

  • asuka より:

    名古屋、奈良へご移動お疲れさまでした。
    その人の人生を動かしてしまうほどの影響を与えられたのは、先生がそれだけの背中を見せていたからでしょうね。
    私も先生の背中に後押しされている一人です。

    また、私たちは日々患者様の人生に大きな影響を与えています。
    そのことを思うと責任の重さに怖くなる事もありますが、写真のように、夜の暗黒から一筋の光が差し込む朝陽が必ずやってくると思えば、その光を目指して努力できます。
    光が見えるように自らの存在や技量を見つめ直していきたいと感じました。

    障害を負って目の前が暗く方向性が見えなくなっている患者様に、光を差し込める存在でありたいと思いました。

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