寺子屋

2011.03.03 | おしらせ

毎月第1・3火曜日の夜に吉尾副院長主催の学習会「寺子屋」が開催されています。主に脳画像を見ながら、障害部位の確認、考えられる病態、そしてこれからの可能性やアプローチの方法などについて、出席者全員で考えていきます。学習はさせられるものではない、自ら行うものだということで、副院長の一方的なセミナーではなく、出席者全員の参加型寺子屋になっています。出席者は職種を問わず、ディスカッションも幅広く、回を重ねるごとに前回考えさせられたことが参考になっていくという構成になっています。課題提示や進行、解説やまとめは副院長自身が戦略的に行いますが、出席者は気づかされることが多く、反省しきりの寺子屋です。
【先日の寺子屋】
 先日開かれた寺子屋では多発性脳梗塞の患者さんについて提示がありました。入院中に杖歩行レベルから車椅子レベルに能力低下がみられたので、担当セラピストは再発だろうと思ったが、診断では否定され、納得していない様子。たまたま患者さんご自身が万歩計のデータを記録しておられ、それを見るとある日を境に急激に低下していることから、再発を疑うのも理解できますが、神経学的な症状や画像上での異常はなく、特別なエピソードもないのです。
 病棟リーダーからの相談があり、副院長が1日担当することになりました。患者さんは旅行がお好きで、旅が趣味の一つである副院長と話が盛り上がりました。そして、患者さんはベッドから立ち上がり、旅行で撮った写真を杖を持たずに歩いて探しに行き、副院長に見せに来たのだそうです。
 これで歩行レベルが急激に落ちて、そこから上がってこない原因が患者さん側にないことがよく分かります。私たち医療スタッフは問題を患者さんだけから見い出そうとしますが、医療スタッフ側に問題があることも多いのです。患者さんの評価をすることはもちろんですが、スタッフ自身、そして関わるチームや病棟の評価もしないといけないことを知らされました。その後、患者さんは毎日杖歩行レベルで、にこやかにリハビリテーションに取り組んでいらっしゃいます。
寺子屋

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