山が動いた

20110730阿蘇米塚

またまたお久しぶりです。

2週間前に熊本機能病院総合リハビリテーションセンターのセミナーに招かれ、故郷に帰ってきました。米満理事長、山永センター長はじめ多くの方々にご出席いただき、身に余る光栄至極な1日になりました。また、諸先生方のお話を伺い、私自身、学ぶことがたくさんありました。

この数ヶ月間、セミナー参加者に問いかけてみて、山が動いていることに気づいています。2年前、95%以上が誤った答を返していた問題に対して、同じように誤って答える参加者は最近では60%くらいに減少しているのです。例の起き上がりの主たる筋に関する質問です。

それでもまだ60%が間違っているわけですから、これは大変なことではあるのですが、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という世界ではなくなったことになります。私が知る限りでは、おそらくこの話をし続けているのは私だけではないかと思うのですが、塵も積もれば山となる、のです。最初は小さな力でも、重なっていけば大きな力になり、ついには山をも動かすことになるようです。2年間の活動は無駄ではなかった、と。

私自身は解剖学的な立場から物事を考え、それに基づいたアプローチを指向しようとしています。自分自身で評価し、アプローチしていくためには、その思考過程を保障する基礎を疎かにしてはいけないと考えています。目の前にそびえる熊本城の石垣を見ながら改めてそのように思いました。

熊本と言えば阿蘇。墓参りを兼ねてちょっとドライブしてきました。私の中で好きな景色のベスト10に入る阿蘇の風景。中央に見えるのが米塚という、これでも立派な火山です。向こうに平たく見えるのが外輪山になります。世界一のカルデラに佇むと、表層的なことで右往左往している私たちの社会が滑稽に見えたりします。

コメント (15)

  • senri より:

    中井さん、奥が深いですね。

  • 中井 より:

    と、同時に私たち患者にとって自己マネージメントの必要性もヒシヒシと感じます。離脱と構築ですね。それには大いなる励ましとそこそこのイジワルが必要ですが。

  • senri より:

    yamaguさん、こんばんは。
    第一ストーカーですか。怖いですねえ。
    最近、男性の追っかけの方々が増えて、ちょっと嬉しいような、複雑な思いです。
    でも、でも、いつも興味を持っていただき、ありがとうございます。
    患者さんのことを本質的に考える。とても大切なことです。
    皆、それを口にしながらも、なかなか難しい課題だと思いますが、
    yamaguさんのお顔を拝見していると、そのことをやり抜いていく人のように感じます。
    これまでに、あるいは先輩諸氏にとらわれないで、どんどん道を切り開いてください。
    楽しみにしています。

  • yamagu より:

    先日、三重県でのセミナーありがとうございます。今、動いている山の一角です。第一ストーカーでもあります(笑)
    何度か、吉尾先生のセミナーに参加させていただくうちに、最初は実技などで前後の変化に対する「驚き」の方が強かったですが、最近は「自分ならどうするか」を考えるように変化してきました。
    患者さんのことを本質的に考えられるようになり、今日よりも明日の方が成長している自分へと変化していきたいと、今資料をみていて感じました。
    これからも、ついていきます。よろしくお願いします。

  • senri より:

    kabeさん、こんばんは。
    いつも注目していただき、ありがとうございます。
    人それぞれいろんな背景を持ち、ちょっとした出来事に影響されて今があります。
    私もいろんな体験をしましたが、それぞれを大切にしていきたいと思います。
    特にセミナーでお話しした体験は私の根幹と言っていいものです。
    kabeさんは、いい顔をなさっているし、行動力をお持ちですから、
    きっと素敵な「これから」があるのだろうと期待していますよ。
    ますます輝いてください。

  • kabe より:

    三重県では貴重なお話ありがとうございました。
    第2ストーカーです・・・(笑)
    野球の話やら先生の基盤となっている話は、自分の人生を再考するきっかけになっています。
    また、全国的に山が動いているのを実感しましたね。
    先生の一歩一歩が、この世界を変えているのだと思います。
    今後ともよろしくお願いいたします。

  • senri より:

    sanaeさん、おはようございます。
    日曜日の研修会にお越しいただき、ありがとうございました。
    話が進むにつれ、sanaeさんのお顔が変化していくのを感じていました。
    そこからメッセージをしっかり受け止めていましたので、とても嬉しかったです。
    終了後、折角お越しいただいたのに、お話もできず、失礼いたしました。
    実際の場面では難しいことも多々出てくると思います。
    そのときは、よろしければアドレスをご利用いただき、相談してください。
    いい体験も、苦い体験も、全て含めて、これからに活かしていきたいですね。
    臨床を楽しんでください。

  • senri より:

    スーさん、おはようございます。お久しぶりです。
    体のこと、お気遣いいただき、ありがとうございます。
    なんとか呼吸しています。
    それもこのメッセージのような励ましをいただくからこそで、とても嬉しく思います。
    勇気をいただき、心から感謝、です。
    これからもしっかり取り組んでいきましょう。

  • sanae より:

    こんばんは。
    そうですね。山は動きますね。全ては変化を望んでいるし、変化していきますね。

    先日、沖縄で脳卒中の理学療法、長下肢装具を用いた理学療法の実際というテーマで講演会
    を聞かせて頂きました。本当に勉強になり感動しました。終了後に感謝と感動を伝えたかったです。しかし、時間が無かったので質問している女性の隣を少しうろちょろしていた者です(苦笑)。

    今朝、早速、早く出勤し病院にある長下肢装具を出し、自分で履い歩いてみました。また、同期に昨日の講演内容を理解出来た範囲内で伝達し、長下肢装具装着での歩行介助の練習をしてみました。

    私は、PTになって3年目になります。整形疾患の患者様が多く、脳卒中の患者様はそんなに多くみていないのですが、ここ最近、ずっと頭の中にある疑問がありました。それは、長期実習でみせてもらった患者様が今までにみせてもらった患者様の中で一番正常歩行に近い歩容まで改善したという事実でした。この答えが分からなかったのですが、昨日、先生の講演会を聞いて、“長下肢装具だ!!”と気付きました。就職してから長下肢装具をつくってないのですが、実習中にみせて頂いた患者様は立位訓練の状態から自分の長下肢装具を装着して行っていました。疾患の部位や病態など影響要因は様々あると思うのですが、やはり歩行で股関節伸展をだすのは本当に大切だと思います。これからは、長下肢装具を様々な視点からリハビリに取り入れていきたいと思います。気付きを本当にありがとうございました。

    P.S.病院のホームページも大変興味深くみせて頂きました。私も、脳科学をベースに様々な視点から楽しく効果のあるリハビリに取り組んでいます。まだまだ勉強不足なのでこれからも患者様に還元できる情報がありましたら配信を続けて頂けるとありがたいです。

  • スー より:

    忙しい日々が続いているようですが、お体はいかがでしょうか。
    私も山は確実に動いているように思います。職場でも2年前とは明らかに変わってきていることも実感します。
    今まで、代々受け継がれてきた曖昧で間違っていることは、根拠のある基礎をもって「間違っている」と声を上げていかなければならないですね。理学療法士ですから。
    登山家は登山する際,高ければ高いほど、士気が上がると聞いたことがあります。士気を持って大きな山を吉尾先生のように動かしていく力になれればうれしいと思っています(少し、私には大き過ぎる発言かも知れませんね(笑))。
    夏も終わりに近づいていますが、体調にお気をつけてください。また遊びに来ます。

  • asuka より:

    いつももったいない程のお言葉ありがとうございます.
    その先生のお言葉にふさわしくなれるよう,
    口だけにならないように気をつけて参ります.

  • senri より:

    asukaさんはやはり凄いですねえ。

  • asuka より:

    私のような臨床で働く理学療法士にとって,
    目の前の患者様に迷惑をおかけしないためにも,
    先生の努力は大きな役割を担ってきたと感じます.

    ですから,一番迷惑をかけてはいけない,
    患者様には迷惑をかけるどころかよい影響を与えていると思いますので,
    結果的にはよいのではないでしょうか.

    先生がいろんな方々にご迷惑をおかけしないために,
    私を含めその方々が努力していくことも必要かと感じます.

    先生がもっともっと努力されるのならば,
    私はもっともっともっと努力しなければなりませんね(笑)

  • senri より:

    asukaさん、こんばんは。お久しぶりです。
    なかなか余裕がなくて良くないし、いろんな方々にご迷惑をおかけしている状況です。
    山を動かす前に、もっと自分自身を動かさないといけないのですが、
    どうもうまく自身を動かせません。山は動いているというのに。
    もっともっと努力しないといけませんね。
    これからもお力をお貸しください。

  • asuka より:

    お久しぶりです.猛暑が続いていますが,お体の調子はいかがでしょうか?

    動かないはずの山が動くとはすごいことだと思います.

    山を動かすには表面を揺さぶるだけではだめで,
    山のふもとの根っこから掘り起こしていかないといけませんね.
    相当な労力のいることだと思います.
    だからいつも24時間では足りない程お忙しいのですね.

    大きな山は一人で掘り起こしたら24時間かけても足りないですが,
    一緒に掘りこす仲間が増えたらもっと短い時間で,少ない労力で可能になりそうですね.

    私も微力ですが,そんな一員でいれるように,
    先生のセミナーで学んだ事をしっかり受け止め自分の周囲に働きかけれたらと感じております.

    私も4年程前に阿蘇に行きましたが,車で走っても走ってもどこまでも続くカルデラの景色に,
    小さなことでくよくよ悩んでいても仕方が無いと,
    大きな勇気を頂いたことを思い出しました.

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