垣根

もう7月も月末です。久しぶりの更新になりました。
7月は結構慌ただしく動いていました。1週間のうち、中国に3回も行った、という週もありました。下関、上海、そしてまた下関。地域は違いますが、いずれも中国地方ですから。
朝からこののりですが、今日の運勢はどうでしょうか?

今日は福建省からお客様があります。1週間前にも北京、南京からお客様がありました。民間レベルでは中国との垣根がどんどんなくなっていくのを感じます。とてもいいことだと思います。
15年ほど前に中国黒竜江省佳木斯(ジャムス)市に1週間の講義に出かけたことがあります。学生たちがどんどん迫ってきます。ウェイシャマ? ウォーブミンバイ.の連発でした。どうして? なぜ? 私にはわかりません。という声が、しかもほとんどが女性の声で、講義中に迫ってきます。私もどんどん学生たちに問いかけます。1週間後には垣根がほとんどなくなり、とてもいい感じになったのを今でも覚えています。最後には、「私、先生のために歌います」と、病棟の中で大きな声で歌い出す女学生。そして私も歌いますと続く女学生。その経験を通して、もしかしたら私の方で垣根を作っていたのかもしれない、と思ったものです。

この垣根は臨床の中でもよく感じます。チーム医療を根幹に据えたアプローチがリハビリテーション医療の世界ですが、チームワークとは何ぞや、ということをメンバーたちはほとんど理解できていないのが現状のように思います。結果として起こるのはコミュニケーションの不良であったり、いい加減なゴール設定であったり、専門家としてやり抜く姿勢の欠如であったりします。多くの病院で抱えている問題だろうと思っています。

昨日はリーダー候補生のスキルアップセミナーの最終日でした。臨床業務している中で感じている課題を表面化させて、具体的解決策をできるだけ根拠をもって提案するという時間でした。本来取り組んでいなければならない課題が出てくるたびに、ハッとする私がいました。チームあるいは多職種が関わることによって起こる問題ばかりでした。中途半端な専門家集団が故の問題かもしれません。どれもがちょっとした努力で解決できそうな課題でしたから、垣根を越えて、皆が前に進めてくれることを期待したいと思います。

先週末は新潟市に出かけました。九州リハビリテーション大学校の同級生である五十嵐氏たちと食事を楽しんだのですが、新潟県北部・村上市の岩ガキをいただきました。「夏に牡蠣ねえ」と言いながらいただいたのですが、それはそれは、とても美味でした。

 

コメント (8)

  • senri より:

    chiemiさん、メッセージありがとうございます。
    カキにあたった経験をした人が私の周りにはいますが、それ以来、一切手を出さないそうです。
    美味しいと私は思いますが、そういう経験した人にとって大変な存在なのでしょう。
    人間関係も同じかもしれませんね。

  • chiemi より:

    吉尾先生 こんばんは。
    牡蠣はこちらでも手に入りますよ。
    その時期になるとカキ小屋が一斉に軒を並べます。
    その土地の牡蠣もありますが、今はお取り寄せでも手元に届きます。
    生食可能なものもあれば、火を通さないといけないものもあります。
    牡蠣といえば広島のイメージがあります。
    実際に広島でいただいたことはありませんが、私も牡蠣はまずは生です。

  • senri より:

    chiemiさん、こんばんは。
    私は牡蠣は生でもフライでも鍋物でも佃煮風でも、いずれも好きですよ。
    岩ガキはやはり生ですよね。
    村上の岩ガキはクリーミーというより、身がしっかりして歯ごたえがありました。
    私はそういうのが好きです。
    私も最近、これまで拝見した方々の画像とその後とを照らしていろいろ考えています。
    学ぶところ大です。

  • chiemi より:

    吉尾先生 こんにちは。
    岩ガキ、拝見したところ結構大振りでぷりぷりしていますね。
    私も貝等の海鮮類は好きです。
    北海道は札幌の土地でいただいた海鮮も美味しかったです。
    そこに集まった人と日々は懐かしく輝かしいと思います。
    研修会やサテライトカンファレンス等、主に神経系に関わってきたのですが、
    今は接する機会も少なく、画像と臨床を照らし合わせています。
    どのような治療でどのような経過となるのか。
    牡蠣は海のミルク。生牡蠣、焼きガキ、カキフライなど調理法は様々ですが、
    生がお好きですか?

  • senri より:

    asukaさん、おはようございます。
    結果として、皆でやり遂げた満足感を達成できることを期待したいですね。

  • asuka より:

    吉尾先生、おはようございます。
    先生の言われるように自分の専門性をまず理解しなければ、
    他者の専門性を正しく理解することはできないと思います。

    チームワークは単なる仲良し集団ではなく、
    プロフェッショナル集団であることが大切だと感じています。

    またチームワークは自分たちの専門性を際立たせる勝ち負けではなく、
    一致団結という言葉のがしっくりくるかなぁと思いました。

    先生の言葉は気づかされることが多く、感謝しております。

  • senri より:

    asukaさん、おはようございます。
    コメント、ありがとうございます。
    相手の専門性を考える前に、自分自身の専門性とは何ぞや、自分はどうあるべきかをしっかり問いかけないといけないと私は思っています。そいう立場、振る舞いをとれる人を他者も認めてくれるのだろうと思います。
    そういう意味において、チームワークというのは一種の真剣勝負ではないでしょうか?

  • asuka より:

    こんにちは。
    7月は慌ただしく動いていたようですが、夏バテしていませんか?
    私もつい先日、岩手県でチーム医療にも関わる講演をさせていただきました。

    グループディスカッションの時間を設けたのですが、
    理学療法士は初対面でも上手にコミュニケーションをとってくれました。

    グループディスカッションでは課題が明確なので、集まっている人たちの目標が一致しています。
    でも臨床場面では課題が見えないまま専門性ばかり押し出そうとすると
    目標がずれてチームが機能しにくくなります。

    また多職種に渡る課題の場合は、相手の専門性を理解して意見を求める必要があると思います。
    その際、教科書に書かれている専門性ではなく、
    現場の働き方を実際に見るのはとても重要と感じています。
    私自身病棟配置という立場で、看護師の働き方、専門性の感じ方が随分変わってきました。

    先生の言われるように課題を表面化する作業はとても重要だと感じています。
    私も引き続き明確な答えが持てるように日々考えていきたいと思います。

    新潟の牡蠣、美味しそうですね。盛岡の冷麺はこの季節にピッタリで絶品でした。

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