八代地区特別セミナー

2017/08/12 06:59

お盆ということで故郷の八代にお墓参りに帰りました。
途中、球磨川の流れを眺めながらドライブしたのですが、2015年10月27日のブログで紹介した荒瀬ダムは完全に撤去されて、球磨川は自然の流れを取り戻していました。ダムの下流の坂本付近では流れが速く、ダムの呼称もそこから来ています。球磨川は日本三大急流のひとつ。下流域でのその勢いを見ると、ちょっと誇らしげに見えます。

今回の帰省には大きな目的がありました。8月12日に、八代地区勤務者限定で脳のシステムに関するセミナーを開催することです。八代にいる知り合いのPT木村氏とOT中村氏にセミナーの案内をお願いし、参加者を募ってもらいました。熊本労災病院のご厚意で会場をお借りすることができ、当日の会場造り、受付でも労災病院のスタッフの方々にお手伝いいただきました。私を含めてそれぞれが全くのボランティアだったのです。

皆で八代をよくしようと取り組んだ結果、参加者は123名。PT74、OT33、ST15、PO1名。八代地区のほとんどの病院、施設から、PTでは4人のうち1人が参加されたことになります。しかも他でのセミナーと異なり、中堅、ベテランの方々の参加が多く、平均7.3年の経験年数。それぞれの病院から10名~20名、病院によっては全員に近い38名のスタッフがいらしてました。熱い熱い5時間30分でした。
熊本県で第二の都市、八代地区にとって一つの転機になるセミナーであったことは間違いないと思います。写真は夜の懇親会のスナップを鋤田さんが撮ってくださったものです。

最近、いろいろなセミナーが企画されていますが、その多くが大都市で開催されています。しかも参加者の大半が経験5年までの若いセラピストです。東京で開催するときはもちろん関東圏の人たちが多いのですが、北海道、関西、四国、九州からの参加もみられます。リピーターも結構いますが、負担が大きく、大変だろうと思います。遠方からは交通費や宿泊費も嵩みますから、その努力には頭が下がります。しかし、数名の若いスタッフが何かを学んで自身の施設に反映させようとしても、組織の抵抗は強固なのです。
今回のように講師が地方に出向けばよいのです。この仕事に携わっている以上、欲求はあるはずです。講師が近くに来てくれたら行きたい、という人たちも多いでしょう。その中には中堅、ベテランもいると思います。中堅、ベテランの参加は組織の変革の可能性を意味します。

今回の八代地区特別セミナーを開催してみて、何のための活動か、その目的を達成するための効果的方法はどうあるべきか、改めて考えてみたいと思いました。

コメント (6)

  • senri より:

    Shizuさん、こんにちは。
    お久しぶりです。コメント、ありがとうございます。
    先日、札幌医科大学に講義に出かけましたら、中国黒竜江省のジャムス大学からリハ医が研修にみえてました。学部、大学院とも講義を聴講されたのですが、ジャムス大学でもぜひ講義をしてほしいとおっしゃってました。
    以前、ジャムス大学で朝から夕方まで1週間ぶっ通しで講義したことがあるのですが、学生たちのハートはとてもホットで、いい経験をさせていただいたと思っています。彼たちの熱意はあっという間に世の中を変えるエネルギーになると感じた次第です。
    少しずつ人権に対する意識も変わってきていますから、ますます交流が盛んになることを願っています。

  • Shizu より:

    こんにちは、吉尾先生
    ご無沙汰しております。
    パシフィックサプライの藤沢です。
    ブログを拝見しました。
    中国との垣根がますますなくなっていくことはおっしゃる通りです、
    中国リハビリテーション医学会のwebに【中国は現在少なくとも30万人のリハビリテーションセラピストが必要ですが、実際には3万人しかいません、現在9000万人以上の障害者に加えて、重度の患者や高齢者がそれぞれに適合するのリハビリの新しいモデル(海外)を見つける必要があります】と、このような中国国内がリハビリテーション産業へ重視が高めているの記事がありました。
    今後は日本と中国の間の技術交流がますます盛っていて、垣根がなくなって行く日が来るといいですね(その日はきっと来ます)。

  • senri より:

    チャーコさん、こんにちは。コメント、ありがとうございます。
    暑い夏をどのようにお過ごしですか?
    今年は何度か故郷に帰りましたが、なーんにもない山あいの景色が温かく迎えてくれます。
    少年時代に毎日のように遊んだ山や川には、今や誰も入って遊ぶことはなく、寂しさも感じますが、そこに近づくと少年時代の楽しかった日々が目の前に浮かんできます。とても楽しかったです。
    そんな故郷にはいつまでも頑張ってほしいと思って、今回のようなセミナーを行いました。
    賀茂川の景色、いいですね。先日は送り火もありました。とてもいい天気に恵まれ、今年はよかったですね。
    賀茂川沿いをまた歩いてみたくなりました。

  • senri より:

    aisakuさん、こんにちは。
    今回の八代地区特別セミナーに限らず、私はできるだけ地方に出かけることにしています。
    そこには何らかのことで知り合いになっているセラピストがいますから、彼たちをつつくのです。
    「あなたたちが連れ立って東京まで出てきてくれてとても嬉しいけど、いっそのこと、私を〇〇に呼んだらいいじゃないですか」と声をかけてみるようにしています。そこで実際に動き出す人、動こうとしても実現に至らない人、そんなことしてくれるなんてあり得ないでしょうと信じない人、さまざまですが、現に実現している地域が2桁に手が届いています。
    aisakuさんが仰るように、その方が効果は大きいと実感しています。
    私たちが真に社会に必要とされる存在になるために、私なりに考え活動を続けてまいります。

  • チヤーコ より:

    こんにちは、吉尾先生。いつもブログ読んでいます。
    故郷八代 地区特別セミナーご苦労様です。故郷はやっぱりいいですよね。
    私の故郷京都は賀茂川の景色がいいです。
    いつか千里リハビリに遊びに行きますね

  • aisaku より:

    お疲れ様です.
    ご無沙汰しております.
    地方だから勉強ができないというのは言い訳にはなりますが,近隣で聴講したい先生のセミナーが開催されないのも事実です.
    そのため,自分達で運営すればよいのですが,これもまた講師に知り合いがいないと成立しないことも多いと聞きます.しかたがないので,自分たちが出向いていくことになるのですが,1人よりも2人,2人よりも10人が同じ話題を共有すると,組織が少しずつ変わり始めます.当院もそうでした.
    その中に,リーダーや主任がいるとなおよいのですが,最後は「自身が動き出す」ことが出来なければ何も変わることができません.
    研修会に参加するだけで満足するのではなく,ゴールがどこにあるのかを今一度考えて行動してみようと思いました.
    そこから発展していくものを探したいと思います.

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